カテゴリー別アーカイブ: 活動報告

追悼

すっかりご無沙汰をしてしまいました。

今年5月まで私たちの事務所で一緒に仕事をしていた、ベテラン事務員のTさんが、先月31日にお亡くなりになりました。

事務所で一番のベテランでした。胃がんの放射線治療のため、5月いっぱいで退職したいと申し出がありましたが、治療が一段落したら体調のいい時だけでも手伝っていただきたいと休職扱いにさせていただいていました。7月ごろ電話でご様子を伺ったところ、秋田に旅行中とのことで携帯電話を通じて元気な声を聞かせていただきました。放射線治療は10月いっぱいで終わるときいていましたので、11月1日に電話すると奥様が出られて、「実は昨日亡くなりました。」と言われ、愕然とした次第です。

穏やかなお人柄で、自分を強く主張することの少ない方でしたが、仕事は手早く、きちんと処理される、頼もしいお人柄が偲ばれます。

休職される前、事務所ではお茶もコーヒーも飲まず、胃にはこれが一番だといってぬるま湯にするほど健康には気をつけておられました。でも健康診断で胃のバリウム検査はこの2年ばかりやっていなかったそうです。定期健診の大切さを改めて思い知らされました。

故人のご意向もあり、お通夜、ご葬儀は身内だけで行い、供花、香典はいっさいお断りしているとのことでしたので、弔電だけお送りさせていただきました。後日、奥様から丁重なお電話をいただきました。合掌。

租税教育

 私は、税理士会の仕事の一環として、新宿区内の小学生などを対象に租税教育に取り組んでいます。税の世界もどんどん新しくなっていますので、小学生相手とは言え、租税教育の講師を務めるには定期的な研修が必要です。先日もその研修を受けてきましたが、これまでの講師経験をお話してみたいと思います。

 小学生相手の講師を務めるにも、事前の心構えが必要です。たとえば、「家に帰ったらお父さん、お母さんに聞いてみましょう。」などという言葉は避けなければなりません。お子さんたちの事情は複雑で、ご両親の片方、あるいは両方ともがおられない家庭もあるからです。また、正しい納税者意識を育てるのが目的ですから、「税を取られる。」などの表現も禁句です。

 幼い頃の大病のため、小中学校にろくに行っていない私にとって、小学生相手に話すことはとても楽しみな反面、緊張を強いられることでもありました。でも、いざやってみると子供たちの知識や関心の高さに驚かされることもありました。「税金って、どんなものがあるか知っていますか?」と問いかけると、「所得税」「消費税」などとちゃんとした答えが帰ってきます。それこそ家庭内での話題が関係してくるのでしょう。比較的ゆとりのある一戸建ての家が多い地域の学校では「相続税」という答えが多く、下町の商店街に近い学校では「消費税」に関心が強いようです。

 新宿という土地柄、学校によってはクラスに数人、あるいはそれ以上に外国籍の子供たちがいることもあります。こうした場合もいろいろと気を遣わねばならないこともあるのですが、各国の税制や消費税率の違いといった教材を示すと、外国籍の子供たちもそうでない子供たちも真剣な目で聞いています。

 神戸の生まれでいまだに関西弁が抜けない私ですが、話が終わったあと、子供たちがどれかで理解してくれたか気がかりです。そうしたら、アンケートにこんなことを書いてくれた小学生がいました。「あのおばさん、芸人みたいでおもしろかった。」わたしゃ吉本か!

モンゴル

 成田からモンゴル航空の直行便で5時間半、ウランバートルに着いてさらに車で2時間。テレルジという高原にあるキャンプ場に行ってきました。目的は遊牧民の住居、ゲルの体験と乗馬です。

 ここは観光客用のキャンプであり、実際に遊牧民が生活しているゲルに泊まるわけではありませんが、それでもゲルは本物と同じ構造で、ゲルの中にはバス・トイレなんてありません。食堂は40mほど離れた大型のゲル、シャワーとトイレは70mほど離れた共同施設です。夜中に起きてトイレに行きたければ、星明かりを頼りに歩いていくことになりますが、なにしろゲルの周囲は草原ですから、もっと簡便な方法も??

 この季節、日中は汗ばむほどですが、日が落ちると急に寒くなり、夜は零度を下回ることもあります。ゲルの暖房は薪ストーブ。寝る前に係りの人が火を起こしにきてくれます。早朝5時頃ゲルの戸口で遠慮がちな、しかし執拗なノックの音で目が覚めると、夜中に消えてしまったストーブをもう一度炊きに来てくれていました。

 モンゴルの馬は、一昨年ブラジルで知人の牧場で乗せてもらった馬よりもずっと小型で、優しそうな顔をしているのですが、こちらが初心者と見抜かれたのか、なかなか言うことを聞いてくれません。それでも述べ6時間ほど乗っていたら、お尻の皮が少し擦り切れてしまいました。

 草原では、どこに行くのも馬の背に揺られて行きます。本物の遊牧民のゲルを訪ね、お茶や馬乳酒、干しヨーグルト(!)などをご馳走になりました。


 モンゴルの遊牧民は、子供の頃、「野菜を食べると牛や馬になるよ」と言われ、肉しか食べないそうです。牛や馬や羊たちは草原の草を食べているので、その肉から間接的に野菜(草)を摂取できているという理屈です。栄養学的に正しいかどうかは別として、彼らの立派な体格は肉食で造られているのでしょう。

 昨日帰国しました。テレビをつけると大相撲で新入幕の逸ノ城が、大関、横綱を連覇して快進撃。優勝争いで白鵬と並びました。大相撲は上位陣をモンゴル出身力士が占めていますが、逸ノ城は正真正銘、モンゴル遊牧民の出身だそうです。

相続と贈与

 すでによく知られていることと思いますが、来年(2015年)1月1日から、相続税が変わります。父親がなくなった場合、法定相続人が母親と子供二人、つまり3人であれば、今は相続財産の評価額が8000万円(5000万円 + 1000万円 × 3)までなら相続税はかかりません。しかし来年からは4800万円(3000万円 + 600万円 × 3)を超えると相続税がかかってきます。いままでは相続税などお金持ちだけの話だと思っていた人も、もしかすると相続税のことを真剣に考えなければならなくなります。

 税理士をやっていると相続の際の問題がいろいろと見えてきます。仲の良かった家族が、遺産の分割をめぐって争うこともありますし、思いがけない法定相続人がいることが分かったりします。「相続」が「争族」と呼ばれるゆえんです。

 中にはしっかりと先を見据えている方もおられます。奥様はすでに亡く、自分が死んだあとは、自宅の土地と建物を自分の生活を支えてくれてきた上のお子様に譲りたい。下の二人のお子様は独立しており、財産を上のお子様に譲ることには異存はない。でも、自分の死後、万一それぞれの心が変わり、兄弟同士の争いになるようなことだけは避けたい。だから自分が生きているうちに、上のお子様に財産を譲っておきたい。という相談をいただきました。

 試算してみると、この方の場合は相続税法の改正後でも相続税はかかりません。しかし生前に贈与するとなると、普通なら贈与税がかかってしまいます。そこで、相続時精算課税という方法をおすすめしました。暦年課税という普通の贈与税だと、年間110万円を超える贈与には高い税率の贈与税がかかります。しかし相続時精算課税を選択すると、2500万円までは贈与税がかかりません。そして相続が発生した場合、つまり依頼者がおなくrなりになった場合に、それまでの相続時精算課税で贈与された財産も申告し、比較的低い相続税の税率で精算するという制度です。

 相続時精算課税は必ずしもいいことばかりではありません。普通の相続税だと受けられる優遇措置が受けられない場合もありますし、所有権移転登記に係る登録免許税も贈与の場合は相続の場合より高くなったりします。こうしたメリット、デメリットを比較して、どちらが有利かを検討する必要があります。

 その結果、やはり後々のトラブルを防ぐために相続時精算課税制度による贈与を選ぶことになりました。

ゴルフで100を切りました!

 健康維持のために本格的にゴルフに取り組んだのは2年ほど前からでした。昔もゴルフをやったことはあったのですが、なんとなくみんなについて行ったという感じで、遊びとも言えないレベルでした。

 会員権を買ってクラブメンバーになるような余裕はありませんから、新宿から1時間程度で行けるパブリックのゴルフ場で、1年単位のメンバーになりました。仕事の合間に時間をみつけてゴルフ場に通うのですが、120も130も叩くのにかかわらず、単独で他の人たちの組に入れてもらったり、ゴルフ場主催のコンペにも出場しました。

 他のメンバーの方たちは、何年もプレーしてきたベテランですから、私のような初心者が入ると、当然迷惑顔をされました。ゴルフ場からも「もう少しうまくなるまでコンペは遠慮したら?」などと言われました。でも、そうした言葉にびくびくしないのが私です。平気でコンペに出続けるうちに、やがて110台のスコアがコンスタントに出せるようになり、110を切れるようにもなりました。そしてついに、昨日のコンペで99というスコアが実現したのです。

 100を切りさえすれば、ベテランあいてでも恥ずかしくなくプレーできます。私に「コンペは遠慮したら」と言ったゴルフ場職員も、今回のスコアを見て「うまくなったね。」と驚いてくれました。ただ、これからの課題は二つあります。ひとつは100を切るスコアをコンスタントに出せるようになること。もう一つは、このゴルフ場以外のコースでも100を切れるようになることです。具体的には、税理士会のコンペや、高校の同級生仲間のコンペで100を切る自分を夢見ています。まずはこのゴルフ場であと5回100を切りたいのですが・・・

ふるさと納税

 最近、お客様からよくきかれるようになりました。「ふるさと納税ってどうすればいいんですか?」「ふるさと納税で節税できるんですか?」

 税理士として、ふるさと納税の仕組みは知っていますが、実際に自分でやってみないと実感を持ってお客様に説明できないのではないか。そう思って、息子が温泉宿を運営している北海道・美暎町に3万円のふるさと納税をやってみました。

 1ヶ月ほどすると、町長さんからお礼状とともに次のものが送られてきました。これとは別に、美瑛町特産の野菜詰合せ(南瓜、馬鈴薯、玉ねぎ、小豆)とお米5kgが届きました。
 美瑛町特別町民証
 美瑛町の写真を収めたCD
 美瑛町内宿泊施設利用券(5000円分)
 寄付受領証明書

 大事なのはこの最後の「寄付金受領証明書」です。来年2月に確定申告でこの証明書を添付すれば、所得税の計算のもとになる課税所得から、ふるさと納税した30,000円から2,000円を引いた28,000円を控除できます。所得税は課税所得に税率(所得に応じて異なります)をかけたものですから、税率が20%なら所得税は5,600円少なくて済みます。

 30、000円のふるさと納税で税金が減るのは5,600円だけかよ、と思ってはいけません。この確定申告の申告書が地方自治体に回付され、住民税の計算に使われます。計算方法はややこしくなるので省略しますが、この場合、住民税が22,400円減額されることになるのです。つまり所得税から5,600円、住民税から22,400円、合わせて28,000円の税金が安くなります。ということは、ふるさと納税の30,000円から税金の安くなった28,000円を引いた分、つまり2,000円だけがふたんになりますが、この2,000円で宿泊券5,000円分やお米、野菜などがいただけるというわけです。

 ふるさと納税の精度を取り入れているところは全国にたくさんあります。納税でもらえる品も、お米や野菜のほか、牛肉、海産物、果物、お酒、宿泊券、花火大会の入場券などなど。中には鈴虫セットなどというものもあります。500万円を納税すると、姉妹都市であるイタリアのアッシジを二人で訪れる旅にご招待(和歌山県高野町)というのもあり、お金持ちの方はご検討されてもいいのではないでしょうか。詳しくは→http://www.furusato-tax.jp/

 では、もっとあちらこちらの町や村にどんどんふるさと納税をやれば、2,000円だけの負担でお米や肉や野菜がもらえて、生活費はただになる・・・というわけにはいきません。所得によって違いますが、ある一定金額を超えると負担額が2,000円よりも多くなってくる仕組みなのです。

 総務省のふるさと納税に関する次のサイトを見ると、「控除額(目安)のシュミレーションというエクセルの表がダウンロードできます。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html
この表に、ふるさと納税する人の年収(給与収入)と扶養家族、ふるさと納税の金額を入れると、いくら税金が控除されて、いくらの負担になるかが計算できるようになっています。(給与の場合だけなので、年金などがある場合は別に計算する必要があります。)

 所得の多い人ほど得をする仕組みだとか、地方格差の解消には必ずしも役立っていないとか批判もあるふるさと納税制度ですが、ゆかりのある町や村を応援しながらつつましく利用する分にはいい制度かも知れません。

サイゼリヤが咲いた?

 今日、仕事で行った先で、赤いきれいな花をいっぱいつけた木を見ました。中には白い花をつけた木もありました。植物の名前に弱い私は、訪問先の人に木の名前を教えてもらいました。

 家に帰って、夫に報告しようとしましたが、木の名前が思い出せません。たしか、「サ」がついていたはずだ。咄嗟に「サイゼリヤが綺麗だったよ。」夫は怪訝な顔で「サイゼリヤって、ファミレスだろ」またやってしまいました。頭の文字が同じなら、咄嗟に浮かんだ名前が出てしまうのです。

 どんな木でどんな花か、二人でいろいろと考えた結果、「それって、サルスベリじゃないの?」と夫。ああそうだった。確かにサルスベリって教えてもらったんだ。「サルスベリとサイゼリヤを間違えるやつがあるか」と怒る夫を尻目に、心の中で考えていました。「サがつくんだからいいじゃないの。同じ5文字だし。サルスベリがサイゼリヤでも、サンパツヤでもサスペンスでもササニシキでも、私にとって別に生死に関わる問題じゃないんだから・・」

 正直言って、タイと台湾もよく間違えます。はじめて東京に来た頃、「ダイダイギってどう行けばいいんですか?」と聞き、代々木のことだと分かった駅員さんに大笑いされた経験のある私です。

 でも、税理士の仕事に関しては、決してこんないい加減なことはしませんから、ご安心ください。

真夏の夜のフラメンコ

 昨夜は日比谷公園にある野外音楽堂で開催された「2014年真夏の夜のフラメンコ」を観に行ってきました。1971年から毎年この時期に、小松原庸子先生の演出で行われています。今年は本場スペインでもトップクラスのバイラオーラ(踊り手)であるラ・ファルーカをはじめ、スペインの名手も出演し、宵闇の迫る中、「オーレ!」のハレオ(掛け声)が日比谷公園に谺(こだま)する、美しくも幻想的な舞台でした。

 私は何年か前から、小松原先生のフラメンコスクールに通っています。毎週日曜日に二子玉川の教室で若い人たちに混じって練習しています。私がフラメンコを始めたのは、ゴルフと同様、健康維持が目的ですが、隔年ごとくらいに発表会にも出させていただいています。写真は昨年の4月の発表会で写してもらったものです。

 正直言って、フラメンコの激しい踊りで若い人たちについていくのは大変です。体力的なものだけでなく、仕事の関係で練習を休まざるをえないことが多いので、発表会の舞台の上ですら、横目で他の人の動きを盗み見ながら踊っていたりします。そんなとき、私だけ一瞬テンポが遅れることもあるようです。

 でも、小松原先生は私よりもずっとご高齢にもかかわらず「小松原庸子スペイン舞踏団」を率いて頑張っておられます。私も弱音をはかずにこれからもフラメンコを続けていきたいと思っています。

公会計改革が東京税政連の要望項目に

 私は20年前から、国や地方自治体の会計制度(公会計)の改革運動に取組んできました。その経緯はこちらをご覧下さい。→公会計改革について

 このほど、東京税理士政治連盟(東京税政連)では「平成27年度税制改正に関する要望書」を取りまとめましたが、その項目は次の3つです。
個別税法改正項目
消費税、法人税、所得税などの税法の改正に関する具体的な要望
納税環境整備に関する項目
国及び地方公共団体の会計制度改革

 この3つ目の項目こそ、私が永年主張してきた公会計改革を意味します。税理士が仕事をするには、税理士会に登録する必要があります。東京には21,405人(2014年3月31日現在)の税理士がいますが、そのすべてが東京税理士会に登録しています。税理士は納税者の立場に立って税務行政の適正な運営をサポートしますが、税は法律により決まるもので、法律を作るのは国会の仕事ですので、税法に不公正と思われる事例が見られる場合は国会や政党に税法の改正を要望します。政治的なことは税理士会の仕事ではありませんので、税政連という別の組織があるわけです。

 私は、東京税政連を構成する新宿税政連の役員(顧問)をやっていますが、先月開かれた新宿税政連の総会に出席した際、公会計改革を要望事項として取り上げるよう訴えました。上記の要望事項の3番目の項目は、この訴えを取り上げていただいたものです。

 税理士の力だけで公会計改革が実現するわけではありませんが、税理士の組織が改革の方向に改めて動き出したことで、改革への道のりが縮まることを期待しています。

ホームページ再開

 当事務所のホームページはしばらく閉鎖させていただいておりました。数年前、私が住んでいるマンションで管理組合の理事長に就任した際に、私の過去の政治活動等を書いたホームページは閉鎖したほうがいいとのアドバイスを受けたからです。何しろ300戸を超える大規模なマンションですので、いろんな考えの人がおられ、あらぬ誤解を受けることを避けるようにというのが理由でした。

 理事長はすでに退任しましたが、以前のホームページをそのまま再開するのではなく、もっとすっきりとしたものにしたいと思い、同じ西新宿にある「Office24 Studio」のN店長に作っていただいたのが、このホームページです。

 そのNさんから、「いくら立派なホームページを作っても、作りっぱなしではダメ。どんどん更新していかないと」と言われました。書くことはあまり得意な方ではありませんが、これからはこの「活動報告」に、税の話だけでなく、趣味の旅行、ゴルフ、フラメンコの話など、できるだけ書き綴っていきたいと思います。