Diary



September 30, 2005 =Fri=

会社で、阪神ファンを自称する社長がみんなに饅頭を配っていた。昨日が胴上げだったのだ。ところが、社長も知らなかったらしいのだが、この饅頭、食べてみると以外にさっぱりしている。小豆餡が入っているのだが、塩味で砂糖を使っていないらしい。会社の女性によれば、「これは『塩あんびん』と言います。」『塩あんびん』をネットで調べてみると、加須(かぞ)市の特産品らしい。埼玉県の地理関係がもう一つ良く分からないが、加須は熊谷と同様に県の北の方に位置するが、もう少し東側、茨城県に近い方にあるらしい。地元の人には当たり前の食べ物かもしれないが、余所者には珍しい。

食べ物と言えば、昼食はたいがい勤務先のショッピングセンターの売上げに貢献するため、館内の飲食店を利用しているが、さすがに毎日では飽きるので、今日は少し歩いて駅の反対側の方に行ってみた。こちらはショッピングセンター側に比べて街の中心に近く、歓楽街のような雰囲気もあるが、とにかく規模は知れている。歩いているうちにふと目がとまって入ってみたのが"Too Cute"という店。ランチメニューはパスタ系で店構えの割りに安い。中は結構広く、正面にはスクリーンがかかってBGMに合わせた映像を映し出している。夜はキャバレーかカラオケ店なのかと思って聞いてみると、「ダイニングバーです。」とのこと。結婚式の二次会やレストランウェディングそのものもやっているらしい。またネットで調べてみると、前橋や高崎にもチェーン店がある。たまにはこうした店もランチのレパートリーに入れておこう。

夕方から内幸町の弁護士事務所で打合せがあったので、東京駅から都営三田線の大手町まで歩いた。昔、東洋信託銀行の本店だったビルで、UFJ信託銀行の看板を三菱UFJ信託銀行に付け替える作業をしていた。都市銀行自体はシステム変更に金融庁から文句を付けられたため合併が遅れるが、持株会社や信託銀行、それに証券会社は明日からなんだ。今日は中間決算日。株の方は息子から「暴落だあ〜」とメールが入っていたが。


September 29, 2005 =Thu=

昨日の続きで、モバイルPCで電子書籍を読むのは、モバイルの操作に慣れてくるにつれ、順調に進んでいるが、一つ困ったことが出てきた。昼食時など、一人で食事に行くときには、これまではペーパーバックを持っていき、食事が来るまでの間、また食事中にもページを繰っていたのだが、さすがに食事時にモバイルPCを持っていくわけには行かない。読書の電子化を進めるには、この問題をどうするか。どうせ紙の本も電子書籍も中身は同じなのだから、食事時には紙の本を持っていくことも出来るが、それでは紙の本と電子書籍の両方を買う必要があるし、第一、本棚のスペースという根本問題の解決にならない。電子書籍はPDFファイルなので、食事時には必要な部分だけを紙に印刷して持っていくくらいが解決の道だろうか。

このところ急激な株高。持っている株は在勤中に持株会で取得したM商事株と、バブルの時代に妻が私名義で買ったT建設株。後者は大幅な損失だが、それでも最近は少しずつ盛り返している。凄いのはM商事株の方で、このところ上場来最高値を更新したと思ったら、中間配当の権利落ちも何のその、連騰を続け、今日は一気に135円高。だが、上には上があって、S金属などこの一ヶ月で50%も上がっている。二三ヶ月前から株のネット取引に嵌っている息子は、どういう勘が働いたのか、このM商事株とS金属株に稼ぎのほとんどをつぎ込んでいるらしい。といっても元が知れてはいるが。

新宿西口大ガード交差点の飲食店ビルに「唐人凧」がある。銀座にもある店だが、フグ鍋やしゃぶしゃぶが食べ放題、飲み放題というので若い人たちを中心に人気がある。息子がフグを食べたいと言うので、夏にフグなんかやってないだろうと思いながら聞いてみると、一年中やっているそうだ。息子の狙いは、M商事株が値上がりしているので、フグくらいご馳走してくれても良いだろうというもの。冗談じゃない、あの株は持株会ですこしずつ貯めたもので老後の資金だよ、というものの、来月から北海道で就職する彼の激励会ということでOKする。注文したのはフグ鍋、しゃぶしゃぶ、ジンギスカン鍋の食べ放題というもの。さすがにジンギスカン鍋は遠慮したが、これでまた体重がリバウンドした。


September 28, 2005 =Wed=

一度読み終えたダン・ブラウンの"Deception Point"だが、最後のどんでん返しの結末が分かった上でもう一度読み返してみると、途中いい加減に読み飛ばしていた部分もよく理解できるし、読むスピードもかなり速くなる。息子に持っていかれていた電子辞書を新しく買ったのも理解とスピードに役立った。昨日で二度目を読み終えた。そこで次は同じダン・ブラウンの"Angels & Demons"にとりかかる。しかし、今度はまったく違う読み方をしてみようと思う。"Angels & Demons"は一度ペーパーバックを買ったのだが、先月末、eBooksのサイトで電子書籍で売っているのを見つけ、紙書籍と重複になるが購入してみた。これをPanasonicのモバイルPCに入れて通勤電車の社内で読むと言う趣向。モバイルPCなら辞書も入っているので、ペーパーバックと電子辞書を並べて持ち歩く必要もない。英語の本だけでなく日本語の本もいろいろ読みたいのだが、悩みは本棚のスペースが一杯なことだ。電子書籍が読みやすければ、物理的なスペースを気にすることなく本を買うことが出来る。昔から本には愛着があって、老後は立派な書棚を造り、好きな作家の全集だとか百科事典だとかを並べて、本に囲まれた生活に憧れていたのだが、デジタル技術の発展は思わぬ価値転換をもたらした。まず百科事典はDVD一枚に収まり、しかも内容は全32巻というような大百科事典をはるかに凌ぐようになった。次は一般書籍だ。電子書籍が普及すれば、本の占めるスペースと重量から解放されることになる。問題は、電子書籍が紙の書籍と同じくらい読みやすいのかどうかだ。電子書籍読書初日の今日の経験から言えば、やはり少し読みづらいかなと感じるが、まあ慣れの問題もあるだろうからまだ結論を出すには早い。それにこのところ寝不足が続いているので、読んでいるうちに寝てしまう傾向もある。


September 27, 2005 =Tue=

午後から丸の内の派遣元会社で定例の会議。終わったあと、もといた親会社の監査部に顔を出す。夕方は帝劇ビル地下二階の「菊川」で、監査部OBのKさんの送別会。定年後勤めていた東京での会社勤務を終え、持ち家のある奈良に帰るが、向こうでもある上場企業で週二日の勤務をするそうだ。


September 25, 2005 =Sun=

今勤めている会社で、ホームページ手法を応用した情報の整理と共有化に取り組んでいる。Lotus Notesなどの本格的なグループウェアを使えばもちろんできることではあるのだが、グループウェアでデータベースを作るのは結構お金と技術を必要とするので、ホームページ作成ソフトで代用するこの手法は、前にいた美容関係の会社で試してみた。これはまったく私自身で開発した手法で、自信はあったのだが、こうしたIT利用になれない実力者から反対され、会社として採用するには至らなかったが、自分自身のPC内にこの手法でデータベースを構築し、自ら利用するとともにネットワークコンピュータを使って理解のある連中には開放した。手法と言っても簡単な話で、主要な契約書とか書類をスキャナでPDF化し、これを階層化してそれぞれのホームページからリンクさせるだけ。これだけで、今まであちこちのキャビネットから書類を探し出す手間が省け、また重要な書類を出したり入れたりして紛失する危険も防げる。この手法を考案したのは、紙ベースの書類を整理するのが苦手だからだ。JK式書類整理術としてパテントでも取るくらいの意欲はあるのだが、パテントが認められるほどの技術でもなさそうだ。

この手法を利用して、自宅にある色んな書類を整理してみようと思い立った。不動産の権利書や契約書、パスポート、運転免許証、年金関係の書類、住宅ローン(未だ残っている)の書類などなど、いざと言うときに探し回ることが多い。もちろん現物が必要な場合は現物のありかが分かっていないといけないのだが、書類の記載事項や番号などだけを知りたいときなど、データベース化して置けば便利だし、こういう形でデータベースを作っておけば、現物の管理もしっかりやれそうな気がする。


September 24, 2005 =Sat=

連休が続くのだが、何だか気ぜわしく時間が過ぎていき、Diaryの更新も週末にやっとということが多い。先週の連休は大阪へ行ったためスポーツジムにも行けなかったが、その分今週は二日続けて行った。何しろちょっと油断すると体重がリバウンドしてしまうのだ。だが、このスポーツジム通いも結構時間がとられる。家からは近いのだがちょっと行くと3時間から4時間は過ごしてしまう。そこで近頃はなるべく午前中に行くことにしている。そうでないとほとんど一日潰れてしまうのだ。

アメリカ南部に、先日のカトリーナに続いて今度はリタと、また大型のハリケーンが襲いかかっている。カトリーナの時には対応が遅れて批判を浴びているブッシュだが、今度は自らの地元のテキサスに上陸しようとしているのだから、必死にならざるを得ないだろう。それにしても過去に例のないような大型ハリケーンが相次ぐとなると、地球温暖化に対する理解のない大統領が警告を無視したために全米を大寒波が襲う映画"Day after tommorow"を想いだす。もっとも、あのブッシュのことだから、米国の相次ぐ自然災害もイスラム反米勢力によるテロ行為として、また中東のどこかへ軍を送るのでは・・・


September 19, 2005 =Mon=

朝、母の気分も良さそうなので、京都の大谷本廟へ墓参りに行こうと車に乗ったが、母は「やはりやめておく。」どうやらまた頭がくらくらしそうなのだと言う。大事を取るに越したことはない。墓参りは中止にして私はその分早く帰ることにした。

新宿に着いたのは午後の2時ごろ。家に電話しても誰もいないし、暑いので小田急ハルクの一階にある「甘味喫茶・時屋」でカキ氷を注文。実は今年はいい歳をしてカキ氷をよく食べている。いつだったか、このハルク一階のカキ氷は高いだけで美味しくないと書いたが、この界隈に他にカキ氷をやっていそうな店がないので、ついここによく来るようになったが、慣れてくるとこの店もなかなか味わいがある。ハルク一階というロケーションの割りに内装がレトロで、武者小路実篤の色紙や昔の西新宿の風景写真(淀橋浄水場など)が飾ってある。何でもどら焼きが有名なのだそうだ。

それにしても休日なのに何かとニュースの多い一日だった。新代表が決まったばかりの民主党で、今度の選挙で落選した議員が覚せい剤所持の容疑で逮捕された。揉めていた北朝鮮の核保有を巡る6者協議がようやく妥結した。ダイエー創業者の中内さんが亡くなった(まあ、過去の人だが)。ドイツの総選挙はCDUが社民党から第一党の座を奪ったものの、過半数を占める政党・政党グループがなく、混迷を深めている。で、一番安泰なのは選挙で大勝した日本の与党?


September 18, 2005 =Sun=

母親と妹と3人で八尾ターミナルホテルにある中華料理店「桃花」でディナー。92歳の母は小食だが中華料理は比較的好きな方だ。ここは一応広東料理だが、コースメニューには北京ダックが入っていたりする。フランス料理のヌーヴェル・キュイジーヌのように、果物などを使って見た目にも気を使った中華料理だ。だが、母は、昼間から「この頃、頭がくらくらする。」と言っていたのが、食事が終わった頃「やはり頭がふらつく。」というので早々に切り上げて家に帰る。少し横になっていると気分は治ったようだ。医者の話では頭に血液が不足するのが原因らしい。

民主党幹事長に鳩山由起夫。民主党のいわば創業者が、15歳年下の代表を支えると言う。ご苦労様なことだ。菅直人にも幹事長や国会対策委員長の打診があったが断ったとのこと。そりゃそうだろう。彼の目はすでに都知事選を向いているはずだから。

September 17, 2005 =Sat=

敬老の日を前に、久しぶりで大阪・八尾に住む母の家へ。5月からJRの「ジパング倶楽部」の会員になっている。この会員になると乗車券や特急券が2〜3割引で買えるのだが、会員資格は男性65歳、女性60歳以上となっている。なんだか男女逆差別みたいな話だが、夫婦のどちらかが65歳以上なら相手が規定年齢に達していなくても会員になれる。5月は妻の誕生日で、この規定が適用されることになった。新宿駅の緑の窓口には、ジパング倶楽部専用のカウンタがあり、一般のカウンタに比べてずっとすいている。これも会員特権かと思って並ぶと、前に並んでいたおじいさんとおばあさん一人ずつが切符を買うのに異常に時間がかかっている。おじいさん15分あまり、おばあさん10分あまり、合わせて30分ほどかかってようやく順番が回ってきた。一般のカウンタに並んでいたほうが早かった。割引はどういうわけか「のぞみ」には適用されないので「ひかり」にしなければならない。今は「ひかり」は一時間に二本くらいしかないのに。おまけに私の乗った「ひかり」は、途中停車駅がやけに多い。うとうとしているときに「三河安城」なんて聞きなれない駅に停まると、いつもの新幹線通勤で乗り過ごしてとんでもない駅に来てしまったのかと錯覚する。「ひかり」は、東京を出たときは空いていたが、横浜でほぼ満員になり、名古屋で大勢降りて、また大勢乗ってきた。やはり愛知万博に行く人が多いのだろう。それにトヨタ効果で名古屋周辺の景気がよく、その分、人の動きも多いのかもしれない。

携帯でニュースをチェックしたら、民主党の代表選は2票差で若手の前原誠司がベテランの菅直人を押さえたという。一時は総理にしたい人物のナンバーワンだった菅直人も代表選で若手に敗れるようになってしまった。前原はまだ43歳。京大法学部から松下政経塾・京都府議を経て日本新党から衆院に当選、日本新党解党後は新党さきがけ、民主党と、自民党には入らずに来ているいわば民主党本流ではあるのだが、憲法問題でははっきりと右寄りの改憲派だ。自民党が300近い議席を占め、連立与党の公明と合わせれば改憲発議も可能な衆院の3分の1を占める今、最大野党の代表が改憲派でいいのだろうか。


September 16, 2005 =Fri=

「日経ビジネス」最新号が「日本の伸びる会社」という特集を組んでいる。そのランキング第1位が何とダイヤモンド・シティになっている。今までのDiaryにも書いたが、この会社には1969年に設立して最初の二年間、私が初代の経理担当として出向していた。今の勤務先もダイヤモンドシティと業態が同じで、いわば弟分にあたる。すでに東証一部上場企業だが、設立の際に関与した会社が、その後36年にして「伸びる会社」ナンバーワンというのはやはり嬉しい。


September 15, 2005 =Thu=

最高裁大法廷が、海外在住の日本人が衆院選小選挙区、参院選選挙区で投票が出来ない現行公職選挙法は選挙権を保障した憲法に違反しており、これを改めないのは立法府の怠慢であるとの判決を下した。立法府や行政府のやることは何でも「司法判断に馴染まない。」として逃げてばかりいる最高裁としては画期的な判決ではあるのだが、何か違和感を覚える。海外には通算8年いたが、その間、日本の選挙で投票したいと思ったことなど一度もない。税金は日本ではなく居住国に払っていたのだし、外国に居住する以上、大使館など日本政府の世話になることは潔しとしない感覚が身に付いていた。海外在住の日本人が戦争や内乱で被害を受けたりテロに巻き込まれたりすると、日本大使館の日本人に対する保護が手ぬるいと非難する人が多いが、大使館員だってその国で警察権を持っているわけではない。あくまで自分の意思で、自分のリスクで海外に居住しているはずなのだ。

だいいち、いずれ日本に帰国するにしても、海外へ出る前に住んでいたところに戻るとは限らない。企業から数年単位で派遣される人と、海外に何十年も住んでいる人とでは考え方も違うだろう。最高裁が違憲判決を出すなら、もっと他にやるべきことがあるのではないだろうか。まず第一に考えるべきは「一票の格差」のはずだ。格差2倍を超える場合は選挙自体の無効とすべきはずだ。それなのに一票の格差が5倍を超えた2001年の参院選について、昨年、最高裁は15裁判官のうち9人の多数意見で合憲判断を下した。立法府の怠慢もあるけれど、それを指摘できない最高裁も怠慢ではないのか。もう一つ、海外居住者の選挙権を認めるとすれば、海外居住者が候補者の情報に接する機会がなければならない。外務省を通じて選挙公報を送るなどということでは活きた情報を供給することは出来ない。安い費用で世界中に情報を伝えるにはインターネットがどうしても必要だ。しかし、現行の公職選挙法はインターネットの利用を禁じている。これからの選挙は、日本国内においても、資源と費用の無駄遣いとなるポスター、ビラ、選挙ハガキなどの使用を制限し、むしろインターネット利用を義務付ける方向に行くべきだろう。インターネットを禁止している現行の公職選挙法、あるいはその運用解釈を行っている総務省こそが、表現の自由を保障した憲法に違反しているという司法判断が出るべき時期に来ているのではないだろうか。


September 14, 2005 =Wed=

勤務先がショッピングセンターなので、仕事に疲れると店の中を歩いてみる。若いお客さんが多く、夏の間はリゾートの海岸かと思うような女性で賑わっていたが、9月に入ると気温は相変わらず高いものの、店の雰囲気は一気に秋モード。ぐっとシックなムードにはなったが、外の気温とのミスマッチで商売は苦戦模様だ。しかし天気予報では明日から冷たい空気が流れ込んで、気候も一気に秋に入るようだ。


September 13, 2005 =Tue=

取引先との調停案件があって東京簡裁へ直行。終わって熊谷の会社に行こうと丸の内線に乗ったが、ちょうど昼時なので銀座で途中下車して、6丁目にある馴染みの銀座ワインハウスで昼食。味も値段も雰囲気もまったく変っていない。今日も快晴で暑いが、秋が近づいている気配は感じられる。


September 12, 2005 =Mon=

昨日の総選挙の結果は、自民(選挙前)212→(当選数)296、民主177→113と、まさにlandslideな結果に終わった。記録のためWashington Postの記事を残しておこう。この記事には、"mandate"という言葉が、タイトルにも本文にも使われている。"mandate" とは英和辞書では「(選挙民が議会などに与える)権限」、英英辞典では"support for government from electorate: the authority bestowed on a government or other body by an electoral victory, effectively authorizing it to carry out the policies for which it campaigned"となっている。連立相手の公明党を合わせると、与党で327議席と、480議席の3分の2を占めたことから、憲法改正の発議も可能とまで言われているが、選挙民が与党に与えた権限は"to carry out the policies for which it campaigned"なのだ。自民党がcampaignしたのは郵政民営化のみ。他の政策ではマンデートは与えていないのだ。


September 11, 2005 =Sun=

午後10時半現在、選挙は昨日書いたとおり自民党圧勝の結果となりそうだ。2000年の総選挙のときに、当時の森首相の不人気と失言で民主党が大幅に伸びたのと同様の現象が、今回は自民党に起きている。東京では25小選挙区のうち、まだ民主党は一つも取れていない。まあ、今回は致し方ないだろう。自民党圧勝で小泉総裁の任期延長と言うことになるのかもしれないが、今回は小泉が勝ったのであり、必ずしも自民党が勝ったとはいえない。つまり、自民党自体は郵政反対派切捨てというウルトラCで分かりやすい形にしたものの、これは小泉だから出来たことで、自民党自体がそれほど変ったわけではない。花形役者がいなくなったら自民党も巡航速度に戻るに違いない。民主党はじめ野党は、次の選挙に向けて戦略を練り直すことになるだろう。ただ、自民圧勝で怖いのは、小泉政権のタカ派的体質が頭をもたげてくることだ。自民単独による絶対多数確保で連立の公明党によるブレーキも利かなくなるだろうし、憲法改定をはじめとする右寄り路線が強まることが懸念される。小泉よ、今度の選挙の争点を郵政民営化に絞ったのはあんただよ。くれぐれも誤解のないように。

今日は夫が海外出張中だということで娘がノエルを連れてやってきた。近くに住む息子も加わり、久しぶりに一家四人が揃い、ポトフの夕食。ポトフは"pot au feu"つまり「火にかけた鍋」という意味のフランス家庭料理で、ギリシャに住んでいた頃、ご近所の日本人でパリから転勤してきた方の奥さんから妻が教えてもらった。文字通り、肉の塊や玉ねぎ、人参、ポテトなどを大きな鍋で煮込んだだけのものだが、簡単な割りに結構おいしい。


September 10, 2005 =Sat=

明日が衆院選だが、ここに来て自民党の圧勝ムードが漂ってきた。昨日の日経平均が史上最大の大商いで終値ベースの年初来高値を更新したのはすでに市場が自民勝利を織り込んでいる証拠だろう。民主党も岡田代表はまじめに走り回っているが、末端はあきらめムードが出てきているのではないか。ここ新宿でも、自民党のY候補の宣伝カーの声は聞こえてくるが、民主党のK候補の声は聞こえない。駅前などではそれなりにやっているのだろうけれど。例の公選ハガキにしても、私のところへはK陣営からは来ないのにY陣営からは2通届いている。それも1通は昔から顔見知りの区議会議員からだ。彼は無所属だが、出自や交友関係から見て民主党に近いと思っていたのだが。やはり争点を郵政改革一本に絞った小泉首相の作戦勝ちだろう。妻が民主党員で、もともと自民党の嫌いな私ですら、今回だけは小泉氏に勝たせたやってもいいんじゃないかと思っているくらいだから。もっとも小沢一派を吸収してからの民主党への共感が薄れてきているせいもあるのだが。

郵政事業民営化の必要性を肌で感じたのも選挙のときだった。選挙では大勢の人たちから寄付をいただく。特に選挙区が全国にまたがる参院比例区の場合は、寄付を頂く方々の全国に渡る。選挙前に、政治活動の一環として後援会加入を勧める政策パンフレットを作成し、さまざまな方から提供された名簿などに基づき全国に発送する。この封筒の中に、寄付のお願い文と郵便局の振替用紙を同封する。パンフレットには寄付金受入れ用の銀行口座番号も印刷されている。数百人の方々から寄付を頂いたが、そのほとんどが郵便局の振替だった。これだと手数料が受取人負担なので、1万円の寄付をして下さる方は郵便局に1万円だけを払えばよいので分かりやすい。寄付を頂く側にとっても、銀行振り込みと違って手数料が1件60円〜120円と格段に安いのでありがたいが、もっと大きなメリットがある。郵便振替の場合、翌々日には寄付していただいた方が書かれた振替依頼書のコピーが郵送されてくる。そこには寄付者の住所・氏名・電話番号が明記されている。政治資金の寄付については年一回、選挙の際の寄付については選挙の終了後、それぞれ選挙管理委員会に報告書を提出しなければならない。この報告書には年間を通じて5万円を超える寄付については個別に住所、氏名、職業を記載しなければならない。職業を書くのは、寄付された人が公職と利害関係がないかどうかを確認する目的だそうだ。5万以下なら個別に書かなくても良いのだが、所得税の確定申告の際、寄付金を控除するための証明書を選管から貰うためには、5万円以下でも書かなければならない。5万円以下の場合は、寄付金控除証明書を要求された人だけを記載するのが普通だそうだが、当方の場合は候補者が税理士だし、寄付を頂く方も税理士が多かったので、透明性を高める目的もあって、寄付についてはどんな小額であっても個別に報告し、控除証明書を貰う方針を採った。郵便振替だと住所、氏名は確実に分かる。知らない人からの寄付で職業が分からなくても、電話番号があるので電話でお聞きすることが出来る。しかし、銀行振り込みだと、通帳に記帳されるのはカタカナの氏名だけだ。銀行に調べてもらってもせいぜい分かって電話番号くらい。銀行振込の寄付について報告書記載事項を調べるのには苦労した。

だが、よくよく考えると、郵便局は銀行よりはるかに安い手数料で、住所、氏名、電話番号まで知らせるサービスを提供できるのだろう。だいたい、振替明細は郵便局から郵送されてくるのだが、この郵送料だって80円(市内割引料金だともう少し安いのだろうが)かかる筈だ。振替手数料は完全に赤字のはずなのにこれが可能なのは、郵便と貯金の採算をどんぶり勘定にしているからに他ならない。これは銀行にとっては非常にアンフェアな話だろう。現在、通信販売などで代金決済が銀行振込より郵便振替が多く利用されているのも、この住所、氏名、電話番号に加え、さらに注文内容まで記載できる振替用紙の利点があるからだ。この不公平は、郵政事業を分割民営化し、郵便会社が同一料金で郵貯会社と銀行とに同じサービスを提供するようにしないとなくならないだろう。だが、銀行の方だって、本当に顧客のことを考えるなら、ATMから住所、氏名、電話や必要なメッセージを送れるような改善を考えるべきである。


September 7, 2005 =Wed=

先日の日比谷公会堂での演劇の際、幕間のトークショーで「全国勝手連連合会」の会長と言う人が出ていた。党派にかかわらず当選させたい人、させたくない人を選び、勝手に落選運動をしたり応援活動をしたりすると言う、その趣旨は何か胡散臭いものを感じるが、一つ良いことを言っていた。選挙運動でのインターネットの解禁である。公職選挙法というのはおよそ変てこな法律で、総務省の役人たちの怠慢、そして何よりもこの法律が対象としている政治家たちの怠慢により、まったく時代遅れのまま放置されている。

公職選挙法第142条には「衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書及び第一号から第二号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。」とある。インターネットのホームページは、ここでいう「文書図画(ズガではなくトガと読む。)の頒布」に該当すると言うのが総務省の解釈だ。これは1996年に当時の「新党さきがけ」が当時の自治省に出した質問状に自治省が回答したものがいまだにその根拠になっている。9年前とはインターネットの状況も様変わりになっているのに。

142条で認められている通常葉書とビラだが、これは衆議院議員(小選挙区)選挙では葉書35,000枚、ビラ70,000枚まで、参議院議員(比例区)選挙では葉書150,000枚、ビラ250,000枚までと決められている。葉書は郵便局で無料で出せるのがこの制限枚数までだが、ビラについてはどう制限するかと言うと、立候補届けをすると所定枚数の「証紙」が交付される。妻が参院選(比例区)に出たときには、選挙公示の当日、選管からこの証紙を受け取ると、あらかじめ借りてあった会場にビラと証紙を持ち込み、支持団体である税理士会から集まったボランティアの税理士たちが手分けして証紙をビラに貼る作業をしてくれた。しかし、25万枚の証紙を一枚一枚貼っていくという、およそ単純作業だが労力は馬鹿にならない。これをお金を払ってアルバイトにやらせると、それ自体が公職選挙法に抵触する恐れがあると言うのだ。このビラを、どういうところで「頒布」できるかということも、公職選挙法施行令で細かく決められている。しかし、142条で言う「頒布」と「散布」とがどう違うのか、その定義も法律には書かれていない。一方の葉書だが、15万枚もの葉書をどうやって出すのか。支援者たちに書いてもらうと言っても、一人100枚ずつでも1500人に頼まなければならない。やはり大口は、参院選であれば当事者でない衆院議員とか都議会議員とかに、後援会名簿などを利用して書いてもらうしかない。ところがこうした葉書を出すと、あて先不明という付箋をつけて帰ってくるのが膨大な量になる。そうすると、書いてくれた議員から、自分が書いた葉書で帰ってきたものを見せて欲しいと言う。つまり、他人の選挙を利用して自分の後援会名簿のメンテナンスをやっているのだ。葉書の郵便料金は無料だし、葉書やビラの作成費も公費で賄われる。それだけでも膨大な税金が使われているのだが、こんな葉書やビラを受け取っても、受け取った方がどれほど自分の投票行動の判断材料に利用しているかは極めて疑問だ。

その点、インターネットを利用すれば費用は格段に少なくて済む。これからの選挙運動は、紙資源と労力の無駄な葉書やビラを止めて、インターネットに比重を移すべきだ。こういうと決まって、インターネット・リテラシーの弱い人はどうするんだという反論が出てくる。もちろんそういう人たちの救済も考えていかなければならないが、この10年のインターネット社会の発展を無視して昔のままの選挙形態を当たり前のものと考えている総務省の怠慢は強く糾弾されるべきだろう。文書図画で掲示してよいものには「ちょうちん」がある(公職選挙法第143条)。ちょうちんは良くてインターネットはダメと言うのが公職選挙法なのである。

さらに、公職選挙法第146条には、「何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。」とある。これを憲法違反と主張するのがあの木村剛だ。広島から立候補した堀江貴文が立候補表明以来ブログの更新をやめているが、この条文を読むと、立候補者だけでなく「何人も」「政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者のナを表示する文書図画(つまりホームページ)を頒布し又は掲示することができない。」これは表現の自由を保障する憲法に照らして明確に違反した法律だ。公職選挙法のどこを見ても、インターネットだのホームページだのについての言及がないにもかかわらず、所管官庁の胸先三寸で違反となる。こんな裁量行政に反旗を翻して、堂々とホームページやブログで選挙運動を展開する候補者が現れれば良いのに。


September 4, 2005 =Sun=

昼から日比谷公会堂で平成世直し劇『幕末早慶戦・福沢諭吉と大隈重信』を観る。というのも妻がこの劇でチョイ役をもらっているから。グローバルネットワークというNPO法人、実質的にはその代表であるプロデューサーの大谷哲郎氏が2年おきにやっているのが「平成世直し劇」。小説家が集まって劇をする「文士劇」というのがあるが、こちらは文士劇の政治・経済版といったところ。超党派の政治家と企業経営者らが出演する。今回も本来は自民党から大村秀章、荒井広幸、平沢勝栄、櫻田義孝ら、民主党から野田佳彦、藤田幸久、海江田万里、浅尾慶一郎、鈴木寛、手塚仁雄、大谷信盛、長島昭久ら、他に公明党からも国会議員が出る予定だった。ところが突然の衆院解散でそれどころではなくなった。というより、出ようと思っても公職選挙法に抵触するらしい。というわけで国会議員の出演者はベンチャー企業の社長などに急遽置き換わった。主役の福沢と大熊は、福沢の青年時代を北京大学の留学生、中老年を元大分県知事の平松守彦、大熊の青年時代を元衆院議員の田中甲、中老年を前早稲田大学総長の奥島孝康が演じた。妻の役柄は福沢諭吉が咸臨丸でサンフランシスコへ渡った際に出会った娘、ドーラ・ショウの母親のエリザベス・ショウの役。英語で二言ほどの科白があるだけだが、ドーラの方は準主役級で演じるのも本物のタレントだった。幕末の動乱期に二人がそれぞれ慶応、早稲田という大学を創設する話だが、もともと素人がほとんどで、リハーサルも昨日の土曜日の昼間1回きりで、それで昨日の夜、今日の昼、そして今晩と3回の公演を行う。これで6000円の入場料を取るのだから度胸が良いというか。もっとも演じるのが素人であることは観客も承知の上で、科白に間が開いたり、科白を忘れたり、どうかすると登場すべき登場人物が出てこなかったりということがあっても、それがご愛嬌で笑いを呼んだりする。科白の多い主役級にはイアフォンでプロンプターが科白を伝えているが、転倒シーンで倒れた弾みでイアフォンが外れてどこかへ行ってしまい、相手役が探して拾ってやるなどの場面もあった。こういうのはそれなりの有名人がやるからこそ笑いも取れるのだが、名前も聞いたことのないベンチャー企業の経営者では面白くもおかしくもないと思っていたが、実際に見てみると結構楽しめたかなという感じだ。


September 3, 2005 =Sat=

ルイジアナ、ミシシッピを襲ったハリケーン・カトリーナの被害は死者が数千人に上るほか、復旧どころか被災者の救援すら進んでいないようだ。町村外相がライス国務長官と電話会談して、日本政府として差し出した救援金がわずか50万ドル(55百万円)というのもご愛嬌だが、相手が超先進国でODA予算の対象にならないことと、選挙中で政治判断が働かないことが原因かもしれない。事態を深刻化させているのが被災地での略奪行為が横行し、治安が悪化していることだ。NY Timesの写真集を見ても、被災地に取り残された人々はほぼ100%アフリカ系アメリカ人(つまり黒人)だ。黒人=貧困層とするのは人種差別かもしれないが、現実は概ねその通りなのだから仕方ない。もともと南部の黒人が多い地域だが、白人がいち早く避難した後、車も持たず、行く当てもない貧しい黒人たちが残され、カトリーナの直撃を受けたということだろう。ハリケーンにすべてを失い、無政府状態に放り込まれた貧しい人々が略奪に走るのは、当然かもしれない。これと似た状況に直面したのが1989年12月のパナマだった。もともとパナマに南方総司令部を置いていた米軍がパナマを侵攻し、独裁者ノリエガ将軍の率いるパナマ軍を壊滅させるには二日もかからなかった。しかし、パナマでは軍は警察も兼務していた。軍が壊滅したことは、警察もなくなったことを意味する。オフィスの様子を見に行くためアパートを出ようとすると、隣に住むユダヤ人の医者に引き止められた。「止めろ。街には死体がごろごろ転がっているらしい。」貧困地域の住民が大挙して我々の住む高級住宅街を襲撃に来るという情報が入った。アパートごとに自警団が組織され、実弾入りの銃で交代に警備に当たった。銃など持ったことのない私は、「本社からいつ連絡が入るか分からないから。」と言って勘弁してもらった。食料を仕入れに近所のスーパーに行くと、店内への入場は一度に数人ずつに制限され、一箇所だけ開かれた入り口には銃を持った数人の警備員が守っていた。買い物客はその入り口に大人しく並んでおり、私も列に加わった。時々近くで銃声が聞こえると列は崩れ、一斉に物陰に避難する。が、やがてみんな列に戻る。オフィスのあるビルの一階の商店もそうだが、ウィンドウは群集に破壊され、商品はすべて持ち去られた。小物だけでなく、電気店の冷蔵庫や洗濯機など大きなものも、人々は罪の意識など見せず、嬉々として運び出していた。中には黄色いスクールバスで乗りつける略奪者もいた。米軍が警察機能を代行するまで、混乱は続いた。

今週の初め、商社の経理部で先輩のSさんからファックスを頂いた。週末にならないと落ち着いて手紙もかけないので、今日その返事を書いた。Sさんは10月に行われる経理部門のOB会には欠席のつもりだと言っておられる。最近、日経新聞に載っていたという作家・車屋長吉の句が添えられていた。「去年今年逢いたき人もさらになし」この句は知らなかったが、車屋長吉の名には覚えがある。数年前の直木賞受賞作『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだことがあるからだ。東京の大手広告代理店に勤めていた男がドロップアウトし、関西をあちこち放浪した挙句、阪神電車出屋敷駅ちかくの安アパートに住み着き、顔役らしい串焼き屋の女主人に与えられた仕事、病死した牛や豚の内臓を切り刻み、串に刺すという仕事を日がな一日やっている。アパートには刺青の彫り物師とその愛人、ゴミ箱を漁りながら静かに暮らす老夫婦など得体の知れない住人が住み、隣室は売春婦が連れ込みに使っている。男は周りから「場にふさわしくないインテリ」と見破られるが、一日一日同じ生活を続けている。女主人から「あの女はすごい美人やけど、絶対に手え出したらあかんで」といわれていた彫り物師の愛人にいつしか惹かれていき、肉体関係を持つに至る。朝鮮人である女は背中一面に刺青を施している。女は組の金に手をつけた兄の借金のかたに九州方面に売られるが、兄を捨てて男と赤目四十八瀧に死出の旅に出る。暴力団と彫り物師の双方から追われる形となるが、男は女に従いていく。しかし女は心変わりし、帰りの近鉄電車の乗換駅で男を置いてホームに飛び出し、九州へ向かう。映画化もされたようだが、溝の泥水の中で情念の舞うような、およそ暗い小説だった記憶がある。この小説を読むきっかけは、題名の赤目四十八瀧が昔住んでいた近鉄沿線にあり、小学校だか中学校だかの遠足で行ったことがあるという理由だった。


September 2, 2005 =Fri=

テレビのチャネルを回していたら、BS朝日だろうか、ギリシャの家庭料理をやっていた。と思ったらどこかで見た顔が。アテネで30年、日本料理店を経営してきた夫婦の物語。見覚えがあるのは当然、杵渕さん夫婦だ。私がギリシャにいた頃は「美智子」というレストランだった。レバノンをはじめ、中東で活躍した杵淵美智子という女傑おばさんの経営する店だった。叔母さんには二人の娘がいた。姉の方はおばさんと同様のかなりいかつい顔つきで、海外で活躍しているらしかった。妹の方は大人しそうな旦那を婿養子にとって、「美智子」の経営を手伝っていた。数年前、妻とアテネを再訪したとき、まだ「美智子」の店はあって、この妹夫婦が経営しており、25年ぶりくらいに訪ねた私たちを歓迎してくれた。テレビに映っていたのはこの妹夫婦だった。この前行った時は、アテネオリンピックの前で、アテネ市内でも大規模な工事が行われており、「美智子」もまもなく店じまいするとか言っていた。その後、二人は「風林火山」という日本食レストランを開店したらしい。テレビで見る限り、前の「美智子」よりだいぶ洒落た店構えだ。これが成功して、いまや二号店も出しているとか。テレビの紹介によると、二人は司法試験を目指していて知り合ったらしい。ご主人の方は15年前にギリシャから地中海マグロを日本に輸出する会社も経営しているそうだ。いずれも今まで知らなかった彼の側面だ。彼らももうすぐ還暦を迎えるとのことで、アテネ郊外にエーゲ海に面したマンションを購入、週末はそこで過ごしているとか。異郷の地で長く肩を寄せ合って暮らしてきた夫婦の幸せが感じられる映像だった。

アテネの風林火山で調べてみると、ぐるナビにも載っている。場所は美智子があったのと同じプラカ地区だが、まったく同じ場所ではないようだ。


September 1, 2005 =Thu=

夕方から親会社の品川本社で会議。今日は親会社の丸ノ内本社と結んでのテレビ会議となった。品川本社が出来てすぐに辞めたので、現役の頃にこうしたテレビ会議をやったことはなかったが、結構スムーズにやり取りできるものだ。

イラクではイスラム教シーア派の宗教行事でバクダッド近郊に集まっていた数十万人の信徒たちの中で、自爆テロ犯がいるという騒ぎが起こり、これが原因で群集がパニックに陥って1000人以上の死者が出たという。折りしも憲法草案の策定で少数派であるスンニ派の主張が無視されたまま原案が採択され、宗教対立が深まっていたことから、内戦に発展する恐れもあるらしい。無謀な戦争を仕掛けた米国の罪は思い。その米国ではメキシコ湾岸のミシシッピ、ルイジアナ両州を襲ったハリケーン「カトリーナ」が未曾有の被害をもたらし、死者は数千人に上るという。


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