Diary



February 28, 2006 =Tue=

ダン・ブラウンの世界的ベストセラー"Da Vince Code"が英国で裁判沙汰になっているらしい。"Da Vinci Code"のの背景には聖杯伝説があり、この聖杯伝説とキリストの血脈、つまりキリストは独身で生涯を終えたのではなく、磔刑から活き返った後、マグダラのマリアと結婚して子孫も残しており、その血脈は今日も続いているという説とが表裏一体となっている。男性優位の秩序を重んじた中世のローマ教会が史実を捻じ曲げ、キリストを独身としてマグダラのマリアは娼婦と決め付けた。しかし、キリストの子孫はある秘密結社によって厳重な緘口令のもと、ひっそりとその血脈を保ち続けており、レオナルド・ダ・ヴィンチもその結社のメンバーだった、というような筋立てだったと思う。ところがこの血脈・聖杯伝説がダン・ブラウンの独創ではなく、3人の研究社が5年の歳月をかけて調べ、出版した本に基づいているというもの。裁判では被告はだん・ブラウンではなく、"Da Vinci Code"を出版したランダム・ハウス社だが、3人の研究社が「血脈・聖杯伝説」を出版したのも同じランダム・ハウスだという。キリストとマグダラのマリアが夫婦だったという説は、一部ではかなり昔から有名な話であったらしく、マグダラのマリアが娼婦だったというのだって、ある時代のローマ法王がうっかり別のマリアと間違えたのがそのまま定着してしまったという説もある。

明日からは3月というのに寒い一日だった。天気予報ではもしかすると今晩から雪になるかも・・・


February 27, 2006 =Mon=

週末はずっと妻の税理士業務の手伝いに追われたが、スポーツジムにだけは二日続けて行った。このところ、週末はジムのエアロバイクで体重を落とさないとどうも一週間具合が良くない。

それにしても民主党の前原執行部は情けない。だいたい、前原の日本語がなってない。党首討論などの発言を見ても、「なぜ、国政調査権を拒否するのですか?」これは「国政調査権の発動を拒否するのですか?」でなければならない。「私たちだけが(ライブドアから武部幹事長の次男あてに振り込まれた)口座番号を出して、握りつぶされたら、私たちにはカードがなくなるじゃないですか」こんなことを言っていたのでは、他にカードがないという手の内を晒しているようなもので、喧嘩にもならない。野田国対委員長だって似たようなものだ。どちらも松下政経塾出身。松下政経塾出身者は自民党にも多く、要は彼らは自民党でも民主党でも当選できればいいという連中だ。野党にありながら、自民党以上の改憲論者が代表になるのでは民主党の行く末も思いやられる。そういえば、昨日は二二六事件70周年ということで右翼がデモをやっていた。嫌な世の中になってきた。


February 24, 2006 =Fri=

鳥のオリンピック、じゃなかったトリノ・オリンピックでようやく日本選手団が金メダルを獲得した。史上最大の選手団を送り込んでやっとメダル一つだが、それが荒川静香の金であったことで役員たちもほっとしていることだろう。もっとほっとしているのは大々的な取材陣を送り込みながら、盛り上がらずに視聴率も落ちかけていたマスコミかもしれない。確かに荒川の演技は見事だったが、ショートプログラムで上位につけたコーエンやスルツカヤが転倒で減点されるという幸運もあった。もちろん運も実力のうちだが。一昨日の時点で誰かが「荒川静香は精肉店の姉御。村主章枝は小料理屋の女将。安藤ミキティはキャバクラのヘルプ。3人揃って、私鉄沿線の商店街に棲息していそうで、なおかつ幸薄そうに見えてしまうのはなぜだろう。」なんて言っていたが、余り美人とは思えなかった荒川静香が、金メダルを取ったとたんに本当に美しく、輝いて見えた。NY Times (Web版)でも一面ニュースだった。ただ、こうしたニュースにすぐ飛びつくのがこの男。堀江メール問題で自縄自縛に陥っている民主党を尻目に再び訪れた吾が世の春といったところか、あるいは転倒したスルツカヤに前原代表の姿を重ね合わせているのだろうか。本人もその辺、よく分かっているらしく「何かピンチになると、逆境に入ると、なんかいい風が吹いてくるんですねえ」と語ったという。


February 23, 2006 =Thu=

予算委員会で格好よく、自民党の武部幹事長の次男に3000万円振り込むよう指示したホリエモンのメールを披露して自民党を追及した民主党の永田寿康議員が、メールの信憑性を逆手に逆襲する自民党の追求に、新証拠を出せず、議員辞職を表明する羽目になった。なんとも情けない前原執行部だが、窮地に追い込まれると相手が自分から転んでくれる小泉は、やはり強運の持ち主なのだろう。それにしても民主党はいつもながら詰めが甘い。BSE問題、耐震強度偽装問題、ライブドア問題、防衛施設庁官製談合問題等々、政府与党を追及する材料が山のようにありながら、経験の乏しい若手の勇み足で躓いてしまうのでは、何のための野党かと言われても弁解の余地はない。

その一方で、昨日はホリエモンたち元ライブドア幹部4人が再逮捕された上、どういうわけか今まで逮捕を免れていた熊谷史人取締役が逮捕された。ホリエモン逮捕の後、弥生会計の平松氏が取締役でない執行役員社長という変則的な地位につき、3人残った取締役のうち最年少の熊谷が代表取締役になったのが、その熊谷も逮捕されてしまった。ホリエモンたちは逮捕の後、取締役を辞任したが、熊谷は辞任することも出来ない。辞任したら商法の定める取締役の最小定数を割ってしまうからだ。熊谷逮捕を受けて、ライブドアは代表権を熊谷から技術担当取締役の山崎徳之に移した。この山崎こそが、永田議員の提示したメールで黒塗りになっていた宛先の名前だというのだが・・・


February 21, 2006 =Tue=

日記を更新する時間がなくて、たまに書いてもつまらない文章を数行しかかけないことが多い。もともと、こんな日記をつけているのは、自分に多少は恵まれていると思っている文章能力が、加齢とともに衰えていくことに少しでも歯止めをかけようというのが目的の一つである。そんなとき、他人のブログなどを読んで、毎日内容のある文章を綴っている人を見ると感心してしまう。例えば、最近超有名になってきた「きっこのブログ」がそれだ。ライブドア問題などでは東京地検にでもよほど太い情報源を持っているのか、あるいは全くの空想で書いているのかと思うほどだが、そうした事件性の記事はともかく、昨日、2月20日付の『然るべきシカの話』という俳句を題材とした記事など、本物の知性の裏づけがなければなかなか書けない文章だと思う。


February 19, 2006 =Sun=

代休のおかげで三連休になったが、一向に時間的な余裕は出てこない。毎年この時期、税理士をやっている妻にとって一番忙しいときなので、少しでも時間が空けば労働力として期待されてしまうのだ。税理士事務所の顧客の確定申告に加えて12月決算の会社の法人申告、それに自分たち自身の確定申告もある。そんなわけで昨日も今日も夜遅くまで仕事だ。ウィークデイより週末の方が忙しいなんて。


February 17, 2006 =Fri=

先週末の引越しの代休で休みをとる。朝からエステック情報ビルにある三越診療所で毎月一度の検診を受ける。検診といってもコレステロールの薬の処方箋を貰うだけだが、今日は朝食を抜いていったので、血液検査もしてもらうことにした。ついでに来月、胃のレントゲンを撮る予約もする。別に胃が悪いわけでもないのだが、去年は誕生月の11月に健康診断をやらなかったし、健康診断をサボって胃癌が手遅れになった弟の例もあるから、年に一度はやっておくに越したことはない。

民主党の永田寿康議員が、自民党の武部幹事長の次男に3000万円を振り込むよう指示するメールを、ライブドアの堀江社長が昨年の衆院選告示の直前に部下に送っていたことを暴露した。自民党側は全面否定で互いに相手方を非難する動きになっている。このニュース、どういうわけか朝日新聞の扱いが小さい。いつも夜にベッドに入ると枕元で充電中の携帯電話で朝日新聞のニュースをチェックするのだが、昨夜の時点で携帯ニュースにはこの件が一行も載っていない。試しに毎日新聞のニュースをチェックするとこちらはトップニュースの扱いだ。今日、診療所の後、スポーツジムに行って、エアロバイクを漕ぎながらテレビのワイドショーを見ていて、その謎が解けた。永田議員はメールが受信されたとする日時を秒単位まで明言しているのだが、ちょうどその時刻、テレビ朝日が衆院選に出馬した堀江社長に密着取材していて、当時のVTRの時刻と照合すると、その時間にメールを打つことはまず困難と判断したらしい。つまり、朝日は自社の取材記録との整合性の観点から、民主党の告発に疑問を呈したというところだ。もっとも、メールなんて、発信側のPCなり携帯なりと、受信側のそれとが時刻を正確に合わせていなければ、必ずしもアリバイにはならないし、また予めメールを原稿で作成しておけば、ほんの一瞬のクリックで送信することも可能だ。自民党側は小泉首相が即座に「ガセねた」だと反論し、メールが本物ならそれを証明する資料を出せと迫っている。これに対して永田議員は、情報源の人間は沖縄で死んだ野口氏の二の舞になるのではないかと恐怖に慄いているので、情報源が特定される恐れのある資料は出せないと拒否している。永田議員というのは旧大蔵省出身のエリートで美男子だが少しおっちょこちょいな感じ。一方の武部幹事長は、人はそんなに悪くなさそうだがいかにも脂ぎった権力者という風貌。登場人物やシチュエーションが劇画の世界に思われてならない。


February 16, 2006 =Thu=

新しい事務所に引っ越して、セキュリティをかなり厳重にした。もともとビル自体が機械警備になっていて、最終退出者がセキュリティカードを使って警備をかけると、それ以降警備を解除するまでは、室内で動くものがあればセンサーが働き警備会社に通報するようになっている。執務時間中は、入り口の扉は開いている代わりに、レセプションエリアと執務室の間に電子錠の扉をつけ、暗証番号を入れないと入室できない。外からの来客はいつもはし施錠している会議室の扉を内側から開き、執務室を通らずに会議室に入ってもらうことになる。トイレの行き来にも電子錠の暗証が必要になる。こんなにセキュリティを強化したのは、個人情報保護法への対応が理由だ。このオフィスにそれほど重要な個人情報の集積があるわけではないが、親会社から紹介された個人情報保護法対応コンサルの指導に素直に従ったわけだ。最近もあちこちで個人情報の漏洩が発覚して問題になっていることを思えば、しっかりした対策を講じるに越したことはないのだが、法の施行以来、社会全体が神経質と言うか、本来の趣旨以上に騒ぎすぎているような紀がしてならない。銀行の預金者情報が漏れてキャッシュカードの暗証が悪用されたりと言うのは困るが、顧客の住所と電話番号だけの単純な情報が漏れて、商品売り込みのダイレクトメールや電話に使われたからといって、どれほどの被害があるのだろうか。「振り込め詐欺」に使われるという恐れもあるらしいが、それならNTTの電話帳だって同じだ。漏洩の実害よりも、漏洩があったという事実が、管理体制の甘さということで企業への攻撃材料になるのだろうが、この法律のもたらした社会コストや、コンサル、警備会社などの享受したメリットなど、総合的に計算して、プラスマイナスどうなっているのだろうか。


February 14, 2006 =Tue=

昨夜は神田事務所の開設祝いという名目で、親会社のスタッフも交えて牛タンの店「べこたん神田店」で。お開きになったのは10時半過ぎ。われわれにはちょうどいい時間だが、熊谷方面から来ている人たちにはかなり大変だったろう。今朝出勤するとそのうちの一人はもう出社していて、取引先に出かけるのとすれ違いだった。それにしてもこの冬の寒さが続いた後、随分暖かくなってきた。特に夕方などコートも要らない感じだった。

高い支持率を背景に順風満帆に見えた小泉内閣がBBLT(BSE問題、防衛施設庁談合問題、ライブドア事件、耐震偽装問題)でよたよたしてきたが、アメリカでも誤った情報に基づくイラク派兵への批判や盗聴問題でブッシュ政権がレイムダックの様相を強くしてきたところに、副大統領のチェイニーが狩猟仲間を散弾銃で誤射するという追い討ちをかけた。落ち目になると悪いことが重なるというが、戦争屋ブッシュと戦争商人チェイニーという最悪のコンビにはいい薬だろう。英国でもタブロイド紙が英国兵士によるイラク少年たちへの虐待ビデオをすっぱ抜き、ブレアが慌てふためいている。かつて「ブレアがブッシュのプードル犬なら、小泉はブッシュのコッカスパニエル犬」と書いたのはロスアンゼルスタイムズだが、飼主がレイムダックになるととプードルもコッカスパニエルも終わりになるようだ。だがポスト小泉にもろくなのはいないし、民主党も頼りないし・・・


February 12, 2006 =Sun=

大学時代に所属していたESS(英語研究会)のOB機関誌が名簿とともに届いた。編集委員長から頼まれて寄稿した私のエッセイが載っていた。「私の恥」と題するエッセイを募集したのだが、このタイトルで出稿したのは1年上のSさんと私だけ。私のはこのウェブサイトの"Memoranda"にも載せたフランス語での失敗談を書き直したのと、もう一つスペイン語での失敗談も加えた。私は大学の12回生だが、我々の年代の投稿はほとんどが日本語なのに、10年ほど上の世代の人たちの投稿は英語のものが多い。それだけ英語への取り組みが我々と比べて真摯なのだろう。


February 11, 2006 =Sat=

神田の新オフィスに9時に出社すると、すでにオフィス家具のオカムラから机や収納家具の搬入が始まっていた。やがて富士通が来てサーバやパソコンの設定を始める。午後になると熊谷から運び出した書類の段ポールケースが届く。熊谷で書類搬出をやっていたスタッフも電車で到着する。書類の量に比べて、机の引出や収納家具など収納スペースは格段に少ない。熊谷の、ショッピングセンター1棟がまるまる自社物件(今は証券化したので厳密には自社所有ではないが)でスペースに余裕があったのに比べ、神田は狭い賃借物件であるのに加え、建物が一部円形という形状に加え、窓面が多く壁面が少ないため収納スペースがどうしても限られてしまうのだ。当面はダンボールケースのまま積み上げ、新オフィスに置く書類と熊谷に送り返す書類との分別をしなければならなそうだ。パソコン用の電源タップが足りないので、近くの秋葉原に買いに行く。歩いてもいけそうだが、神田駅から一駅乗って秋葉原の電気街口ではなく昭和通口から出て、ヨドバシカメラの秋葉原店を覗いてみる。さすが旗艦店だけあって規模も大きいが、喫茶やレストランなども揃っていて、西口本店のイメージとは大分異なる。戻ってきて、書類整理が一区切りついたところでスタッフを誘って外堀通りを隔てた土風炉で慰労会。


February 10, 2006 =Fri=

熊谷までの通勤を始めたのが昨年7月の19日。それからほぼ半年が過ぎた今日で長距離通勤も終わりを迎えた。オフィスが変るだけで同じ会社であり、熊谷には最大の現場事業所があるので、これからも熊谷に来る機会は何度もあると思うが、ともあれ今週末の引越しを済ませて来週からは神田までの短距離通勤となる。残念なのは長距離通勤が終わるまでにマイケル・クライトンの"State of fear"を読み終われなかったこと。


February 9, 2006 =Thu=

天皇家の次男の奥さんが3番目の子供を懐妊したというので騒ぎになっている。天皇家には1965年に当の次男が生まれて以来、女の子しか生まれておらず、男系が皇位を継ぐという今の「皇室典範」では後継がいなくなる恐れがあるからと、今の国会に女性天皇、女系天皇を認める改正案が出されようとしている矢先のことだから、タイミングが良すぎるのか悪すぎるのか。英国のThe Timesでは"JAPANESE politics and the world’s oldest Royal Family were thrown into turmoil yesterday by news that the wife of the Emperor’s younger son is six weeks pregnant. "という書き出しで伝えている。もともと、自分が生まれる前から自分の属する国の、象徴とはいえ最高権威者が決まっているなんてけしからんと思うし、今の皇室メンバーには責任はないとはいえ、あの戦争の最高責任者である昭和天皇がまったく責任を取ることなく、第二次大戦の指導者たちのうち最後まで生きながらえたことには憤りを覚えているので、天皇制が後継なしで途絶えようと痛くも痒くもないのだが、男女平等をうたう日本国憲法のもとにあって、「皇室典範」が男系しか認めていないこと自体、違憲ではないのだろうか。「皇室典範」改正論議で男系にこだわる保守派が、「万世一系」だの「天武天皇のDNAが失われる」などと非科学的なフィクションを持ち出して騒いでいるのは噴飯ものだ。郵政民営化に反対して自民党を追い出された平沼という元経済産業相が、「皇太子の娘が天皇になり、彼女が青い目の男と恋に落ち、その子供が天皇になることなど、決してあってはならない。」と発言している。そんなこといったって、ヨーロッパの王室などみんな親戚同志みたいなものだし、ギリシャの元国王など確かオーストリアあたりからの輸入品だった。天皇制を認めるのであれば、そんな形で国際交流に役立てるほうが、よほど存在理由があるのではないか。


February 8, 2006 =Wed=

この週末に引っ越す予定の神田のオフィスに電話工事の立会いに行く。先週の週末に間仕切り工事が出来ていて、だんだんオフィスの形が整ってきた。とりあえずは人数にして10人余りの小さなオフィスだが、電話と言ってもダイヤルインだのIP電話だのいろんな機能が詰まっていて結構難しい。工事が始まるとこちらはやることがないので、早めの昼食に出かける。どこにしようか迷ったが、1時前にはコンピュータ関係の設定に来るので時間も中途半端だ。地下鉄で銀座に出て、昨年までよく行っていた銀座ワインハウスに。ここの日替わりランチは880円でまったく変っていない。シャンソンのレコードをバックに、落ち着いて食事が出来る店だ。神田に戻ると富士通のエンジニアが待っている。電話工事が終わったのが2時ごろ、コンピュータの方は熊谷、長野、天王洲とここ神田の拠点をVPNで結ぶ作業に3時半までかかる。それから社長に頼まれたモバイルPCの設定をエンジニアに頼んだところ、これが延々と終わらない。結局今日は熊谷のオフィスに行くのは断念した。モバイルの設定が終わったのは6時半。それまでの間に神田のオフィス周辺を歩き回ってみた。このあたり、少し裏道に入ると昔ながらの下町の光景が残っている。通勤をどの経路にしようかと未だに迷っている。最寄り駅も一番近い丸の内線淡路町のほかに、都営線の小川町駅もすぐ傍だし、銀座線の神田駅も遠くない。JRなら神田まであるいて8分ほど。試しに御茶ノ水から歩いてみた。聖橋口から降りてニコライ堂の脇を過ぎ、新坂を左に降りると外堀通りにぶつかる。これを右に曲がり、靖国通りを渡ればすぐオフィスに着く。こちらも10分とかからない。ただ、坂道なので逆方向は少し大変そうだ。朝は家から近い大久保駅から総武線で座って御茶ノ水まで行き、帰りは淡路町から丸の内線で西新宿までというのが良さそうだが、そんな定期券の買い方はできないから、やはり丸の内線にせざるを得ないかなと思う。

February 7, 2006 =Tue=

昨夜は今年二度目の雪。昨日の朝から「夜には都心でも雪になる。」との天気予報だったが、実際に降り始めたのは真夜中になってから。しかし気温もかなり上がってきて、水気の多い雪だったようで、朝になると人の行き来の多い道にはほとんど残っていなかった。

先日、ウガンダで自動車事故で亡くなった清水君の最後の様子が伝わってきた。会社の同期生のメーリングリストがあり、私がその管理をやっているのだが、このMLを通じてナイロビ駐在事務所長からのレポートが流れてきたのだ。事故が起きたのは現地時間で1月29日の22時ごろ。ウェンズリー山(ウガンダにあるのだろうか)の登山計画の視察を終え、首都カンパラに戻る途中、首都から39kmの地点で事故は起きた。彼の乗っていたのは白のトヨタ・コロナ。タクシーではなくレンタカーだったらしい。彼は後部座席に乗り、前にはウガンダ人の運転手と助手が乗っていた。道路は比較的整備されており、車の数も少ないのでスピードは出ていたようだ。真っ暗で街灯もない道を飛ばしていたが、前には過積載の木材運搬トラック(メルセデスベンツ)が走っていた。トラックは満載した木材のため、後ろからテールランプが見えない状況だったらしい。運転手はトラックに気づかず、荷台の下まで突っ込んでしまった。通行人が警察に通報し、30分後に警察が到着したときには、コロナの3人はすでに死亡していたという。1月31日になって現場の路上に残されていたパスポートから身元が判明し、在ウガンダ日本大使館から日本のご家族に連絡が入った。ご家族は3日早朝にエンテベ空港に到着されたが、大事故だった割にはご遺体の損傷は少なかったことが、ご家族にはせめてもの慰めだったという。ご本人が生前、家族葬を希望されていたとのことで、葬儀は新潟のご実家で行うとのこと。


February 5, 2006 =Sun=

このDiaryをブログに変える気は今のところないが、最近はつくづくブログの影響の大きさを思い知らされることが多い。もっともそんな影響力の大きいブログはほんの少数で、大部分はこのDiaryと同様、本人以外はほとんど読まれないままなのだろうが。

1月31日で日経新聞に連載されていた渡辺淳一の「愛の流刑地」が終了した。「にっけいしんぶん新聞」と言うタイトルのブログは、もともとある市場関係者が日経新聞の記事を取り上げてコメントするという内容だったが、この連載小説が始まると、ブログの中に「今日の愛ルケ」という題名で毎日の「愛の流刑地」の内容について突っ込みを入れ始めた。例えば、愛情の高まりゆえに愛人を絞殺してしまった主人公・菊治が「代々木署から拘置所に移送された。」とあると、「殺人現場となった菊治の住まいは千駄ヶ谷であり、その管轄は代々木署でなく原宿署のはず。第一、以前の回で『留置場では山手線の始発の音で時間が分かる。』と書いてあったが、山手線に近いのは原宿署であって、代々木署は京王線の近くだ。」といったもの。このブログが評判を呼び、新聞の小説は読まずにブログの方を読むという人まで出てくる始末。連載の終了とともに「今日の愛ルケ」も終わったが、その最終回のコメント数は今日現在で465、トラバが11となっている。もっとも逮捕されたホリエモンの「社長日記(今は「堀江貴文日記」と改名されている)」の最終回?では、コメント8192、トラバ441と凄い数字になっているが。日経新聞では「愛の流刑地」に代わって2月1日から堺屋太一の「世界を創った男・チンギス・ハン」という連載が始まっているが、「にっけいしんぶん新聞」では今度は「今日のセカチン」というタイトルが載っていたので、また連載小説への突込みを始めるのかと思ったが、これはジョークだったようだ。

影響力の大きいブログと言えば、こちらだろう。なにしろ、ここの2月2日の記事で、ある会社の株価が暴落したのだから。書き手は何者で、どこから情報を得ているのだろう。


February 4, 2006 =Sat=

今日は立春。雲ひとつない快晴だがやたらに寒い。昨夜も風があって寒かった。大陸から寒気が流れ込んでいるらしい。今年は全国的に寒く、勤務先のショッピングセンターでも衣料品の売上げが好調だった。東北・北陸では雪害で大変だが、寒波は日本だけでなく世界的な現象らしい。地球温暖化といいながら、この寒さはどうなんだろう。もっともいつか見た"The day after tomorrow"では、地球温暖化の影響で海流の流れが変わり、北米全体が氷河に覆われ、合衆国はメキシコに亡命政府を作ることになる、という筋立てだった。

ちょうど今読んでいるマイケル・クライトンの"State of fear"も地球温暖化問題を題材としている。気象用語以外には難しい単語も少なく、読みやすい小説だが、舞台が世界各地をめまぐるしく移り変わる上に、複雑な展開なので全体を把握するのに苦労する。環境テロというような概念が持ち出される。環境保護団体が人為的に異常気象を作り出して地球温暖化問題を金儲けのネタにしているというような設定だ。環境保護団体の財政的支援者であった富豪が謎の失踪をとげ、その女性秘書と顧問弁護士が、環境テロを追う諜報機関員らしい男の指示で戦いに巻きもまれる。小説の中に温暖化を否定するようなグラフなどの資料がたくさん引用されている。まだ半分くらいしか読んでいないのでこれからどう展開するのか、マイケル・クライトン自身が地球温暖化問題をどのように捉えているのか分からないが、見方によっては京都議定書を批准しない米国政府を擁護しているように見えなくもない。


February 3, 2006 =Fri=

元東銀パナマ支店長のFさんご夫妻から、お二人の名を取ったA&HF FoundationのAnnual News Letterが届く。"Since A&HF was founded in 1986, total number of A&HF scholarship recipients for 5 countries (Thailand, Panama, El Salvador, Laos and Cambodia) has reached 458."とある。まったくの個人の力で500人近い途上国の学生に奨学金を支給してこられた。こういう行為こそが草の根の国際交流に相応しい。"New A&HF Graduates were 14 from Khon Kaen University (KKU), Thailand, 1 from University of Panama, 1 from Universidad Salvadorena "Alberto Masferrer"(USAM), 2 from National University of Laos(NUOL), and 2 from University of Health Sciences (UOHS), Cambodia."とあるように、今は活動の中心をタイ北東部のコンケン(Khon Kaen)に置き、主にタイ、ラオス、カンボディアの学生たちを支援しておられるようだ。奨学生の中にはご夫妻と養子縁組されている人もいて、去年はそうしたFファミリーの中からタイ、カンボディアの各一人が結婚している。親代わりに新婚夫婦と写真に写っているご夫妻は、年齢を感じさせない若さだ。


February 2, 2006 =Thu=

昨日第一報が入ったのだが、同期入社の清水孝氏が亡くなった。ケニアに住んでいた彼は、隣国のウガンダでタクシーに乗っていて事故に遭い、即死だったそうだ。アフリカを愛し、退職後もアフリカで活躍していた。本人から直接聞いた話だが、一橋の柔道部出身の彼は、ザイールに駐在しているとき、上半身裸でジョギングしている途中、大統領官邸の前を通りかかり、不敬罪で逮捕された。しかし警察幹部に柔道を教えていたことから、教え子たちが直ちに救出してくれたそうだ。深田祐介のノンフィクションに登場したこともある。タンザニアのダルエスサラムの所長をやっているときは私が海外店の経理統括をやっている立場だったので仕事でも縁があった。ナイロビの所長を最後に退職し、その後もケニアで仕事をしていると聞いていた。人望もあり、彼が一時帰国すると彼を慕う若い人たちが集まってきたそうだ。ご家族が今日、遺体を引き取りに出発したとの連絡も入る。

彼の名前をネットで検索してみると、こんなサイトがあった。冥福を祈る。


February 1, 2006 =Wed=

ライブドア絡みの新聞記事を見ていて、何か違和感を覚えていたが、その理由が分かった。日経新聞のサイトからライブドア関連記事を新しい順に見てみると、

(1月31日)宮内亮治容疑者(38)が「上場させるには、子会社に利益を7000万円回さなければいけない」などとライブドア幹部らにメールで指摘していたことが30日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、同社による経理操作の一端を示すとみて注目しているもようだ。

(1月30日)堀江容疑者らが個人的利益を得ていた疑いが新たに浮上した。東京地検特捜部もこうした事実を把握しているもようで(後略)

(1月30日)(宮内容疑者が)買収した子会社に「情報を外部に開示するな」などと指示していたことが29日、関係者の話で分かった。(中略)東京地検特捜部は同容疑者らが株式交換を偽装した新株売却などの違法性の認識を示す事実とみて注目しているもようだ。

(1月27日)ライブドアマーケティング(LDM)が昨年1月に株式100分割を実施した当日に、ライブドア本体が保有するLDM株の一部売却で約34億円の収入を得ていたことが26日、分かった。(中略)東京地検特捜部は(中略)一連の不正取引とライブドア本体のLDM株売却の関連にも関心を寄せているとみられる。

(1月26日)堀江貴文容疑者(33)を含む取締役4人と事業部長らが集まり、各事業部門の利益を調整していたことが26日、関係者の話で分かった。(中略)東京地検特捜部は、株式交換で企業買収したことや新株が投資事業組合を通じて売却されたことについて堀江容疑者を追及しているが、違法性認識は引き続き否認しているとみられ、不正経理の把握状況も取り調べる。

(1月26日)中村長也容疑者(38)が東京地検特捜部の調べに対し、逮捕容疑の事実関係を認める供述をしていることが25日、関係者の話で分かった。違法性の認識は否定しているという。

日経だけでなく、朝日、読売などの記事も似たり寄ったりだ。「〇〇ということが関係者の話で分かった。」でなく「分かった」「判明した」などとなっていても、どうやって分かったのか、判明したのかが分からない表現だ。新聞社独自の調査で分かったなら、「××新聞の調査で分かった。」と書くはずだ。そしてその後に「東京地検特捜部も・・・注目しているもようだ。」などと続く。こうした記事を読んで「関係者」というのが誰なのかは一目瞭然だ。ではなぜ、「東京地検の発表によると」と書かないのだろう。おそらく地検は記者クラブに対して、「これは公式の発表ではないが」というような前置きで取り調べの様子や捜査状況をリークしているのだろう。何のためにそんなことをするのだろうか。容疑を否認し続けるホリエモンに対して、リーク作戦で外堀を埋めていこうとしているとすれば恐ろしいことだ。検察というのは、本来、有無を言わさぬ証拠を固めて容疑者を追及していくのが使命ではないのだろうか。自分の作り上げた構図に容疑者を押し込めるために、リーク作戦で搦め手から自供を引き出すなど邪道ではないのだろうか。

折りしも、今日の朝日新聞には、死刑廃止運動で有名な弁護士が、顧問先の会社再建のために提案したスキームが検察から債権回収妨害として懲役2年を求刑され、これに抗議した弁護士2100人余りの弁護士が弁護団を組んだと言う記事がある。2100人というのは日本全国の弁護士の1割にあたるという。検察が自らの法解釈で犯罪を作り上げているとすれば、彼らはその法解釈が誤っていようと、事実そのものを法解釈に合わせる様に変える力を持っている。




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