Diary


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August 31, 2008 =Sun=

スポーツジムのプールサイドでの文庫本読書が最近の楽しみだが、今月読んだのは逢坂剛の「重蔵シリーズ」3冊と真山仁の「マグマ」。逢坂剛は、「イベリアシリーズ」の続編「暗い国境線」「鎖された海峡」の文庫版をずっと心待ちにしているのだが、何時まで待っても講談社が出してくれないので、同じ作家の珍しい時代物にしたのだ。それにしてもこの逢坂剛という作家、従来のスペインもの、脳神経もの、百舌シリーズに加えて、最近は西部劇もの、時代物とジャンルの幅が広い。真山仁は「ハゲタカシリーズⅠ・Ⅱ」のほかに、広告業界を扱った「虚像の砦」を読み、「マグマ」は私が読んだのでは3作目。地熱発電を扱った珍しい題材の小説だが、なかなか面白い。だが、「ハゲタカ」や「虚像の砦」は今でも本屋で平積みになっているのに、「マグマ」は置いていない書店が多い。もしかして電力業界からの圧力で書店から消えているのでは、などと勘繰りたくなる。

私がギリシャに駐在していた頃、リグナイト炊きの発電所建設を売り込むプロジェクトがあり、ヨーロッパ諸国からの政治的圧力などもあって成功しなかったが、私が帰国した後、ミロのヴィーナスで知られるミロス島に地熱発電の売り込みに成功したと聞いた。だが、この地熱発電は今は休止しているようだ。今までの地熱発電は、このミロス島の例のように、小規模な発電所が多かったが、「マグマ」でも書かれている「高温岩体発電」だと日本の電力需要の30%を賄える可能性があり、十分原子力を代替できるらしい。さらにマグマそのものを利用した発電だと、技術的にはまだ実用化には遠いが、日本の電力需要の3倍が賄えるという。エネルギー価格の高騰、地球温暖化への取組、原発の安全神話崩壊など、さまざまな問題を解決する有力な選択肢として、地熱利用にはもっと目が向けられていいと思うし、この小説がそうした世論喚起に役立つかもしれない。それだけに、原子力発電の権益を守りたい電力会社にとっては脅威だろう。
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August 29, 2008 =Fri=

ある人から、スイスのお土産にチョコレートをいただいた。ところがこのチョコ、スイス製なのになぜか包装紙には東洋風の扇の図柄が描かれ、右下に"GINGER"、左上に「薑」という漢字が描かれている。見たこともない字だが、"GINGER"と対になっているのだから、たぶん生姜を意味するのだろう。気になって調べてみようと思うのだが、手許には漢和辞典がない。広辞苑で意味を調べるにも、読みが分からないと調べようもない。そこで思いついてIMEパッドの「手書きモード」を起動し、マウスで「草冠に一、田、一、田、一」と書いてみたらこの字が出てきた。音読みだと「キョウ、コウ」訓読みだと「はじか、しょう」とある。この字をグーグルの検索ボックスにコピーしてぐぐって見ると、Wictionaryのページがヒットして、開いてみたら異字体に「姜」があるとのこと。やはり生姜のことなのだ。そして訓読みは「はじかみ」とある。料理では今でも焼き魚に添える葉生姜の酢漬けのことを「はじかみ」という。グーグルでさらにWikipediaを辿ったりしていくと、いろいろ面白いことが分かってきた。
  1. むかし、生姜のことを「はじかみ」と言ったが、山椒の「椒」の字も「はじかみ」と読み、山椒のことも同じく「はじかみ」と言った。そこで生姜を「くれのはじかみ(呉の薑?)」、山椒を「ふさはじかみ」と呼んで両者を区別した。
  2. 奈良県葛城市に「薑(はじかみ)」という地名がある。葛城市薑の郵便番号は639-2122
  3. 狂言に「酢薑(すはじかみ)」という演目がある。酢売りと薑売りとが出会い、どちらが由緒正しいかで争う。最後には、酢と薑とが縁の深い食べ物であることが分かり、仲直りするというストーリー。
  4. 韓国に、生姜やウコンの入った「梨薑酒」という焼酎があり、1988年に無形文化財に指定されている。
  5. 金沢市に「波自加彌(はじかみ)神社」という、日本で唯一、香辛料を祀る神社があり、毎年6月15日に全国から生姜や香辛料を扱う業者が集まり、自社製品を奉納して「はじかみ祭り」を行う。
ところで肝心のチョコレートだが、甘みを抑えたミルクチョコにジンジャーの風味が加わって、なかなか美味しい。
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August 28, 2008 =Thu=

今日は予報通り朝から雨模様。別件で新宿の三菱東京UFJ銀行へ行ったついでに、地下にあるカレンシーショップでユーロを購入。来月初めに出かける旅行に備えてだが、考えてみると2002年1月にユーロ紙幣が導入されて以来、ユーロ地域へ出かけるのは今度が初めて。だからユーロ紙幣を実際に手にするのも初めてだ。残念ながらユーロ高のこの頃、1ユーロは165円44銭という高値。面白いことに両替した紙幣を受け取るときに、500円の商品券をおまけに付けてくれる。両替しておまけがもらえるなんて日本くらいではないのだろうか。
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August 27, 2008 =Wed=

天気予報というのも実にいい加減なものだ。今週は土曜日まで雨や曇り時々雨という週間予報だったし、今日も携帯ニュースに表示される午前5時発表の予報では曇り時々雨だった。ところが9時前には雲の合間に青空がのぞき、お昼頃には薄い雲のヴェールはかかっている感じではあるものの完全な晴天。ニューヨークなどでは天気予報はほとんど外れないそうだ。天気は西から変わってくるから、東海岸では西海岸から始まる天気の動きを刻々と受けての予報であり、外れる方がおかしいのだろう。日本の場合だって、米国大陸ほどではなくとも、東京の天気は九州中国近畿東海と地上のデータが刻々提供されるはずなのに、どうして当たらないのだろう。ましてや昔と違って気象衛星などお金のかかったデータも豊富なのに・・・
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August 23, 2008 =Sat=

設立60周年を迎える「松山バレエ団」の公演。11時半の開演にあわせて渋谷のC.C.Lemmonホールへ。渋谷区の主催で、夏休みということもありバレエを習っているらしい子どもたちを連れた人たちが多い。私たちはバレエなど滅多に観ない(むかし、娘が小さい頃、バレエを習っていたことがあったが)のだが、チャイコフスキーの3大バレエ作品である「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」のハイライトを上演するというので見に行った。何といっても最大の見せ場は、夫である清水哲太郎と3曲目の「眠れる森の美女」を踊る森下洋子。身長150センチの小柄ながら世界のプリマバレリーナとされる森下洋子は今年還暦を迎える。ちなみに清水哲太郎は松山バレエ団創設者・松山樹子の長男で松山バレエ団の総代表。バレエに先立ち、森下・清水らのトークショーがあるのだが、3歳から始めたバレエへの思いを語る森下に対して、清水の受け答えは間が悪いというか、浮いているような感じがした。だが二人の踊るオーロラ姫とデジレ王子はさすがに息が合っているようで、舞台では小柄な森下がオーラを発していた。終演後、渋谷駅に向かう帰路に、「かに道楽」でランチ。
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August 22, 2008 =Fri=

昨日あたりから急激に涼しくなってきた。湿度は高いので汗をかくこともあるが、半袖では寒さすら感じることもある。まだこれで夏が終わるわけでもないだろうが、今年の夏は蒸し暑さこそ厳しいものの、夏らしいからっとした青空にはあまりお目にかからなかったような気がする。今日は、立ち上げに関与している事業会社の経理要員採用のため、面接に立ち会ってほしいと頼まれ、午後から品川に向かう。応募者二人と面接を行ったが、中高年者の就職状況はかなり厳しいことが窺えた。
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August 21, 2008 =Thu=

マイケル・クライトンの"NEXT"を読み終えたので、今度はジョン・グリシャムの"Playing for Pizza"にとりかかっている。丸の内OAZOの丸善で、新着コーナーに並んでいたから、たぶんグリシャムの新作なのだろう。まだ最初の方しか読んでないのだが、主人公はアメリカンフットボールのプロ選手。ホームグラウンドでの大事な試合で、彼は終了間際の11分間に立て続けに3つのミスを犯し、彼のチームが圧倒的に勝っていた試合をひっくり返し、その挙句、怪我で意識不明になってしまう。病院で意識を取り戻した彼は、腹を立てた熱狂的なファンが病院にまで押しかけ、新聞はこぞって彼のことを「史上最悪のクオーターバック」と指摘していることを知る。チームからは解雇され、この状況ではどのチームも彼を彼を雇うことは考えられない。彼のマネジャーは、イタリアのパルマにあるチームのコーチに電話をかける。イタリアではもちろんサッカーの方が主流だが、アメフトのチームもある。ただ、そのレベルはアメリカのそれとは比較にならない。アメリカ人の選手も各チームに何人かはいるが、いずれもアメリカではマイナーチームの出身だ。アメリカ選手は給料をもらっているが、イタリア人選手たちは単にアメフトが好きなのと、試合が終わった後チームのオーナーがふるまうピザを楽しみにプレーしている、いわば草野球チームのようなもの。そこへ、いくらヘマをしたといっても、アメリカのメジャーチームのクオーターバックが入れば、一躍トップスターになるだろうという目算だ、というあたりまでしか読んでない。

グリシャムといえば、確か"The Broker"でもイタリアを舞台にしている。ロビイスト出身で刑務所に収監されていた男が、大統領交代に伴う恩赦で釈放され、名前を変えてイタリアのボローニャに暮らす。その背景にはCIAの陰謀がちらつく。あの小説では、スリラーものとしてのストーリーよりも、ボローニャの街の描写が生き生きしていた印象がある。今度の"Playing for Piza"も、タイトルから推測すると、主人公がパルマの町に溶け込み、イタリア人選手たちと同様、お金よりも試合後のピザを楽しみにプレーするような人物に生まれ変わっていく、というようなストーリーなのかもしれないが、パルマの街の描写もでてくるのだろう。 前作では、ボローニャの街の描写から、一度この町に行ってみたいというような気にもなったが、ボローニャとパルマならそんなに離れてもいないし、行くなら両方に行ってみてもいい。あるいは、グリシャムがこれからもイタリアを舞台にした小説を書き続けるなら、それを待ってまとめて旅行先にしてもいいかもしれない。そういえば、サッカーの方ではパルマとボローニャは中田英寿がプレーしたチームのある都市でもある。
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August 19, 2008 =Tue=

妻と週に一度外食にしようということになっている。小田急ハルクの裏手に「シュタインハウス」というドイツビールの店があることをガイドブックなどで知っていたが、外食の際の候補の一つとして、今日は一人で下見に行ってみた。入口が分かりにくく、何度か周囲をうろうろしたが、入ってみるとドイツの城の地下室を思わせる落ち着いた雰囲気。7時前の比較的早い時間だが、カウンタにカップル一組、テーブル席に男性二人連れの先客。カウンターにかけて、ヴァイス・ゴールドの生ビールとヴァイス・ヴルストのボイル、それにザワークラウトを注文する。「ザワークラウトはソーセージに付いてますから、足りなければ後で注文されては」とアドバイスしてくれる。ヴァイス・ゴールドはフルーティな感じ。ヴァイス・ヴルストも美味しい。この店、昔からあるのかと思ったら、開店は2年くらい前とのこと。ドイツビールやドイツワインの輸入商社が直営する店の一つで、一番古いのは神谷町の店だそうだ。

カウンターに置かれたコースターを見ていて、ふと思い出した。鋤の紋章の付いたシュパーテンビールのコースターだ。サルトルの「嘔吐」にこんな場面が出てくる。主人公のアントワーヌ・ロカンタンが昼食に入ったカフェで、目の前のビールのコップを見ているうちにおかしくなる。彼は自問自答する。「ほかの連中が彼のところにきて言うだろう。"このコップは他のと同じですよ。把手があって、鋤の紋章があってスパーテンブロウと書いてありますね。"そんなことは分かっている。それとは別のものがあるのだ・・・・。」その後、彼は公園のマロニエの根を見て、「存在」というものを知るに至る。スパーテンブロウはシュパーテンビールのフランス語読みだ。彼がスパーテンブロウのコップを見て固まってしまったのは、「存在」発見への前兆であったのだろう。難解な「嘔吐」を理解した訳ではないが、どういう訳か、この「スパーテンブロウ」の場面は記憶に残っていて、シュタインハウスのカウンターで蘇ってきた。
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August 17, 2008 =Sun=

第二次大戦中、日本の「阿片王」と呼ばれていた里見甫なる人物について、昨日の朝日新聞にこんな記事が出ていた。と思ったら、今日のNHKスペシャルでもこの記事と同じ特集が行われていた。終戦記念日に絡んで、相前後して記事やレポートとなったのだろうが、旧日本軍の悪事が今頃になってようやく日の目を見るというのも、この国が戦争の総括を避けてきた結果かもしれない。だが、この里見甫(なぜか私と同名だが、こんな一致は嬉しくもない。)という人物についてはWikipediaにも項目が立てられているし、「阿片王 満洲の夜と霧」(佐野眞一著)という本も出ている。佐野眞一といえば、最近の新聞広告で「甘粕正彦 乱心の曠野」という、大杉栄を虐殺した甘粕に関するノンフィクションも出ていた。時間があればこうした本も読んでみたい。
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August 16, 2008 =Sat=

ホラー映画なのだろうか、それとも近未来SFなのだろうか。「ハプニング」を新宿ピカデリーで。いつものスポーツクラブから歌舞伎町の「凛火」で夕食。前日にネット経由で7時40分の上映チケットを取っていた。事件はある日突然、ニューヨークのセントラルパークで始まる。歩いていた人々が突然停止する。人々が自己保存本能を失い、自ら首を刺したり、ビルから飛び降りたり、拳銃で頭を打ちぬいたりし始める。どうやらテロリストによる神経性毒ガス散布ではないかとの噂。人々は先を争ってニューヨークから逃れる。だが、逃れた先にも死の連鎖が待っている。テロではないという観測が広がる。被害は米国北東部に集中、大都市から地方都市へと広がっている。高校の数学教師である主人公は、微妙な夫婦関係にある妻とともに、消息を絶った妻を捜しに行く友人から託された娘を連れて見えない敵からの逃走を図る。逃げながら、この怪現象の原因が、植物が突然人間集団に対して化学物質を発するように変質したのではないか、それも多人数が集まる人間集団に対して攻撃する、という仮説を立てる。この仮説に従い、小グループに分散しての逃走となる。やがて夜になり、電気もラジオもない世捨て生活をしている老婆の家にたどりつく。一夜の宿を借りた相手は、北東部を襲っている異変を知らない。夜が明け、家の周りを歩いていた老婆も異変に取りつかれて死亡する。その時、妻と友人の娘は離れに行っていることに気が付く。家の外には化学物質が充満しているはず。だが、死に際して妻と一緒にいることを選んだ主人公は、戸を開けて外に出る。同じ思いの妻も離れから出てくる。だが、何も起こらない。異変が始まった次の日の朝、異変は終わっていた。テレビでは異変の原因について専門家が推測を述べている。これは自然による人類に対する警告だと。コメンテーターは、そのような警告がアメリカ北東部の一部にだけ起きるとは信じられない、他でも同じ現象が起きれば別だが、と批判する。主人公は、妻と、友人の娘の3人で新たな生活を始める。そうしたある日、画面はパリに切り替わる。公園を歩いていた人々が、突然停止する。

何か設定に無理がある感じで、製作者のひとりよがりな感じもあるが、映画の最初の画面は、主人公が高校のクラスに「全米でミツバチが姿を消した」という現象について意見を求める場面。全米で数千万匹のミツバチが謎の失踪をし、ミツバチに受粉を頼っている農業生産に影響が出ているというのは現実の出来事であり、題材の異変だってあり得ないことではないという導線が引かれているのが薄気味悪い。
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August 14, 2008 =Thu=

夕食のデザート用に何か果物でも、と思ってアパートの一階にある食品スーパーへ行ったら、デラウェアぶどうや幸水の梨が「1割引」のシールを貼って売られている。いつもは閉店近くの時間になって刺身などに「×割引」のシールが貼られることはあるが、果物にこのシールが貼られるのは珍しい。これはラッキー!と、買い物かごに入れたが、何か様子がおかしい。見ると野菜などの棚は一部を除いてほとんど空っぽになっている。魚売り場にも刺身のトレイがいくつか残っているだけだ。もしかして明日は休みなのだろうかと、店内を見渡すと、「15(金)、16(土)、17(日)の3日間は閉店させていただきます。」との張り紙が見つかった。確かにお盆シーズンで電車も空いている。だが、このスーパーは基本的に年中無休で、元日(と、1月2日もだったか?)閉店するだけだったはずだ。去年もお盆が休みだった記憶はない。やはり消費不振で休業日を増やして経費削減を図っているのだろうか。そういえば、以前は夜8時半まで営業していたのに、最近は8時で店を閉めているようだ。それにしても、いつもはエレベータで下に降りて行けば買い物ができる便利さに慣れているのが、3日間も休みというのでは感が狂う。よくよく考えるとお米や牛乳が残り少なくなっているのを思い出し、慌てて買い足した。
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August 9, 2008 =Sat=

昨日は少し飲みすぎたのだろうか、胃がむかむかする。だが、スポーツクラブでいつもより軽めに運動をし、プールで泳いでサウナに入ると、胃のむかつきも消えてすっきりする。昨日が北京オリンピックの開会式だったが、今日になって開会式の様子をテレビで見た。204ヶ国の入場はいつ果てるとも知れず、途中で何度も居眠りをしながら見ていた。最初に解説があったのだろうが、途中から見たので、次々と出てくる国の順番がどうなっているんだろうと気になってくる、フランス語、英語、中国語で国名を読み上げるのだが、アルファベット順にはなっていない。日本など案外早く出てくる。途中で解説が入り、国名を中国語で書いた場合の漢字の画数が少ない順になっているそうだ。なるほど漢字は表音文字ではないので、辞書なども画数順になっているのだ。ということは、日本では五十音順が普通である学校の席順なんかも、中国では画数順になっているのだろうかと、あらぬ方向に想像が向う。それにしても長時間入場を待つ選手たち、そして入場したらしたで、あとから次々と入場してくる各国選手団を会場で待っている選手たちも大変だろう。入場が終わり、いよいよクライマックスの聖火点灯は流石に凝った趣向だ。この北京オリンピック、ここまで来るのも並大抵ではなかった。オリンピアでの聖火採火式の混乱に始って、チベット暴動、世界各地での聖火リレー妨害、そして四川大地震。思えば44年前の東京オリンピックは幸せだった。誰も異を唱える者はなく、すべてがオリンピックに向けて一丸となっていた(ようだ)。新幹線が開通し、東京オリンピックをバネとしての経済成長を誰もが予見し、その通りになった。中国政府指導部も、44年前の日本と同じ期待をしているのだろう。だが、多民族国家の中国では事情がかなり異なっている。それを「自業自得」と突き放すか、規模も構造も複雑な中国の苦渋を思いやるか。少なくとも言えることは、中国は44年前の日本と比べて、良くも悪くも強靭なしたたかさを持ち合わせているということだろう。
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August 8, 2008 =Fri=

今日もスポーツクラブから娘の家に直行してベビーシッター。双子の片方に発疹らしきものが出て、娘が病院に連れていくので、その間もう片方の面倒を見る。例によって迎賓館付近をベビーカーで散歩。迎賓館はまだ工事中だが、その前の道の並木を造園会社の高所作業車が出て刈り込みを行っている。蝉の声が喧しい。暑いので散歩は短時間で切り上げ、家に戻る。乳児のころに使っていた沐浴用のビニールプールを浴室に持ち込み、水遊びを試みさせるが、水が怖いのか、激しく泣き出すのでこれも切り上げ。やがて病院から娘ともう片方が戻ってくる。発疹は大したことはなかったようだ。そこで今度は彼を裸にして水遊びさせる。こちらはあまり怖がらず、ニコニコしながら遊んでいる。

6時に娘のところを出て、地下鉄を乗り継ぎ銀座線の京橋駅へ。ここで妻と待ち合わせて、すぐ近くの「ギャラリーくぼた」へ。元いた商社の絵画部OBによる作品展が行われている。ニューヨークで繊維部長をやっていたKさんから案内状がきていた。Kさんは妻の神戸高校の先輩でもあり、絵の鑑賞かたがた三人で食事をしようとのお誘い。この作品展には、監査部で席を並べた同期のNさんをはじめ、先輩のFさん、私が今の会社に勤務するきっかけを作った後輩のTさんなど、知った人が多く出展している。Kさんによると、Nさんもさっきまでいたそうだ。Kさんの作品は、グラナダで観たフラメンコの舞台を題材にしたものと、奥様と娘さんをモデルにした絵。具象で分かりやすい作品だ。ギャラリーのすぐ前にある居酒屋へ行く。「このあたり、何軒も試してみたけど、ここが一番だった。」とKさん。三人だから・・・と、麦焼酎をボトルで取る。話好きのKさんとだとつい酒も進み、妻はそんなに飲まないから実質二人でボトルをほとんど空けてしまった。
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August 7, 2008 =Thu=

妻が税理士の同業者と会食なので、ひとりで外食でもしようかと思ったら、週に1~2回取っている食事の宅配の日に当たっていた。仕方なく宅配で届いた夕食を電子レンジで温め、食べ始めようとしたら、窓の外でポーンと花火が上がる。食卓を少しずらすとちょうど真正面に見える。毎年この季節、我が家のベランダからビル越しに花火を眺めることができる。今日はどうやら神宮外苑の花火大会らしい。ちょうど我が家から見える正面に「タマホーム」という、みのもんたがCMをやっている住宅建築会社のネオンがあり、みのもんたの顔が大きく映し出されているが、花火はちょうどその上になる。あの、テレビでどのチャネルを回しても出てくる顔には食傷しているが、花火を見るのにあの顔がまた正面に出てくるのはうんざりだ。亡父の句集「余花の旅」に「遠花火見るには稲架(はさ)が少し邪魔」という句があるが、「遠花火見るにはもんた少し邪魔」といったところ。まあ邪魔なのは我慢して、先日沖縄に行ったときに買ってきた泡盛をロックで傾けながら小一時間の花火を楽しんだ。
August 6, 2008 =Wed=

63年目の原爆記念日。NHKではさすがに広島の平和祈念式典を中継していたが、ほかの局ではあまり関心がないようだ。そういえばこの頃、「原爆許すまじ」の歌もほとんど耳にすることがない。確かに暗い歌だ。「ふるさとの街焼かれ、身寄りの骨埋めし焼け土に、今は白い花咲く」「ふるさとの空重く、黒き雲今日も大地覆い、今は空に日も射さず」犠牲者の怨念すら感じられる。だが、「ああ許すまじ原爆を、三度許すまじ原爆を、世界の上に」の最後のフレーズとメロディには非核への強い決意と、その先の未来への希望が感じられる。現実には核兵器はますます進化し、拡散している。核拡散防止といっても、それは核保有国のご都合主義でしかない。そんな現実に、あの歌も歌われなくなって久しいのかもしれない。だが、被爆国日本の国歌としては、「君が代」などよりも「原爆許すまじ」の方がはるかに相応しいのではないだろうか。オリンピック会場で、優勝した日本選手の背に日の丸が上り、「ふるさとの街焼かれ・・・」の曲が流れる。そんな日は来ないだろうか。(来ないだろうな)
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August 5, 2008 =Tue=

オアゾにある丸の内クリニックで定期健診。一通りのメニューをこなし、最後に胃カメラによる検査を受ける。胃カメラを飲むのは二度目か三度目だが、ゼリー状の麻酔剤を喉に溜めたあと、今度はスプレーで麻酔をされ、それを手元の皿に吐き出そうとしたら、「口の中のものを飲み込んでください。」と言われ、あわてて噎せこんでしまった。だがカメラは案外スムースに食道から胃に入り、十二指腸にまで届く。横たわったままモニターを眺めると、胃の中も案外きれいなものだ。「特にポリープなど不安なものはありません。」とのこと。

昼過ぎから猛烈な雨になる。天気が不安定になっているようだ。四時に会社を退けるときには止んでいたのだが、東京駅では中央線が運休。山手線で秋葉原に行き、総武線に乗り換えたが、これものろのろ運転で、そのうちまた激しい雷雨になる。新宿について雨宿りかたがたビックカメラに乾電池を買いに行く。近頃、単三、単四の電池を使うことが多いのだが、ビックカメラの売り場では充電式の電池を大々的に売り出していた。使い捨ての乾電池でなく、繰り返し使える充電式のほうが環境に良いのだろう。少し高いけれど、1000回は充電できるというから、その通りに使えば大分安くなる。というわけで、充電器と単三・単四それぞれ4本ずつを買って帰る。
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August 3, 2008 =Sun=

アパートの2階、ロビーからエレベータホールへの通路に一週間ほど前からAEDが設置されている。緊急救命装置であるAEDが、医療関係者だけでなく一般の人たちにも使えるようになり、わが家にも設置されることになったのだ。今日は、その使い方の講習会に出た。管理組合の主催で、AEDのメーカーの人が扱い方を説明する。

AEDというのはAutomated External Defibrillatorの略で、「自動体外式除細動器」と訳されている。”Defibrillate"とは難しい単語だが、”fibril"とは植物の根毛といった意味で、"fibrillate"は根毛が細かく震えるような動き、つまり「心室細動」という現象を指し、それに"de-"がついて「心室細動を取り除く」という意味になるようだ。人が意識を失い、呼吸も止まったような状態では、心臓は微細動を繰り返しており、この状態では脳に酸素が送られない。そこで電気ショックを与えて微細動を止め、心臓マッサージと組み合わせることにより心臓に正常な動作を回復させるのがこの機械の役目。AED自体の使い方は、スイッチを入れると自動的に音声ガイドが流れるからそれに従えばよいのだが、心臓マッサージ(正しくは「胸骨圧迫」)や人工呼吸のやり方のほうが大変だ。口移しでの人工呼吸2回と胸骨圧迫30回を一つの組み合わせにするらしいが、人工呼吸よりも胸骨圧迫のほうが大事だということだ。胸骨圧迫の速さは1分100回のペース。といっても分かり難いので、ある童謡のテンポでやればいいと教えてくれたが、何の童謡か忘れてしまった。そこでネットで調べてみると、「どんぐりころころ」や「もしもしカメよ」のテンポが1分100回のリズムに合っているそうだ。童謡だけでなく、たとえば「地上の星」のリズムに合わせてもいいそうだ。だが、生死の世界をさ迷っている人を助けようとしながら、「みんな何処へ行った。見送られることもなく・・・」と口ずさむのはどんなものだろうか。
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August 1,2008 =Fri=

福田改造内閣が決定。首相自身は改造内閣のネーミングを「安心実現内閣」としたそうだが、何かブラックユーモアのように思われてならない。年金問題を今年3月までに解決するというのが安倍内閣での参院選の公約だったはずだが、安倍がずっこけて福田になり、公約実現が不可能になると「そんなこと、言ったかな?」とのたまわった首相、それに結局何の解決策も出せなかった舛添厚労相もそのままにしておいて、何が「安心実現」なのだろう。はっきり「選挙管理内閣」とでも言えばいいものを。選挙といえば、今度の自民党四役、麻生幹事長と古賀選対委員長はいかにもやくざの親分といった雰囲気だし、笹川総務会長は競艇利権を死ぬまで握り続け(今なお三男の陽平が握っているが)、黒幕右翼として戦後政治に暗躍した笹川良一の次男ときている。もしかするとこの「四役」が、政権政党・自由民主党の幕引きをすることになるかも知れない。
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