活動報告

相続と贈与 (2014/09/02)


 すでによく知られていることと思いますが、来年(2015年)1月1日から、相続税が変わります。父親がなくなった場合、法定相続人が母親と子供二人、つまり3人であれば、今は相続財産の評価額が8000万円(5000万円 + 1000万円 × 3)までなら相続税はかかりません。しかし来年からは4800万円(3000万円 + 600万円 × 3)を超えると相続税がかかってきます。いままでは相続税などお金持ちだけの話だと思っていた人も、もしかすると相続税のことを真剣に考えなければならなくなります。

 税理士をやっていると相続の際の問題がいろいろと見えてきます。仲の良かった家族が、遺産の分割をめぐって争うこともありますし、思いがけない法定相続人がいることが分かったりします。「相続」が「争族」と呼ばれるゆえんです。

 中にはしっかりと先を見据えている方もおられます。奥様はすでに亡く、自分が死んだあとは、自宅の土地と建物を自分の生活を支えてくれてきた上のお子様に譲りたい。下の二人のお子様は独立しており、財産を上のお子様に譲ることには異存はない。でも、自分の死後、万一それぞれの心が変わり、兄弟同士の争いになるようなことだけは避けたい。だから自分が生きているうちに、上のお子様に財産を譲っておきたい。という相談をいただきました。

 試算してみると、この方の場合は相続税法の改正後でも相続税はかかりません。しかし生前に贈与するとなると、普通なら贈与税がかかってしまいます。そこで、相続時精算課税という方法をおすすめしました。暦年課税という普通の贈与税だと、年間110万円を超える贈与には高い税率の贈与税がかかります。しかし相続時精算課税を選択すると、2500万円までは贈与税がかかりません。そして相続が発生した場合、つまり依頼者がおなくrなりになった場合に、それまでの相続時精算課税で贈与された財産も申告し、比較的低い相続税の税率で精算するという制度です。

 相続時精算課税は必ずしもいいことばかりではありません。普通の相続税だと受けられる優遇措置が受けられない場合もありますし、所有権移転登記に係る登録免許税も贈与の場合は相続の場合より高くなったりします。こうしたメリット、デメリットを比較して、どちらが有利かを検討する必要があります。

 その結果、やはり後々のトラブルを防ぐために相続時精算課税制度による贈与を選ぶことになりました。